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2016-11-22 平成28年度決算特別委員会(第9日) 本文
2016-11-22 平成28年度決算特別委員会(第9日) 名簿

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  1. 広島県議会 2016-11-22
    2016-11-22 平成28年度決算特別委員会(第9日) 本文


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成28年度決算特別委員会(第9日) 本文 2016-11-22 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 205 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑石橋委員) 選択 2 : ◯答弁(知事) 選択 3 : ◯質疑石橋委員) 選択 4 : ◯答弁(知事) 選択 5 : ◯質疑石橋委員) 選択 6 : ◯答弁(知事) 選択 7 : ◯要望・質疑(石橋委員) 選択 8 : ◯答弁教育長) 選択 9 : ◯質疑石橋委員) 選択 10 : ◯答弁教育長) 選択 11 : ◯要望・質疑(石橋委員) 選択 12 : ◯答弁農林水産局長) 選択 13 : ◯質疑石橋委員) 選択 14 : ◯答弁農林水産局長) 選択 15 : ◯質疑石橋委員) 選択 16 : ◯答弁農林水産局長) 選択 17 : ◯要望石橋委員) 選択 18 : ◯質疑畑石委員) 選択 19 : ◯答弁総務局長) 選択 20 : ◯質疑畑石委員) 選択 21 : ◯答弁総務局長) 選択 22 : ◯要望・質疑(畑石委員) 選択 23 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 24 : ◯要望畑石委員) 選択 25 : ◯質疑(西本委員) 選択 26 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 27 : ◯要望・質疑(西本委員) 選択 28 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 29 : ◯質疑(西本委員) 選択 30 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 31 : ◯質疑(西本委員) 選択 32 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 33 : ◯要望・質疑(西本委員) 選択 34 : ◯答弁(警察本部長) 選択 35 : ◯要望・質疑(西本委員) 選択 36 : ◯答弁(知事) 選択 37 : ◯要望・質疑(西本委員) 選択 38 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 39 : ◯要望(西本委員) 選択 40 : ◯質疑(尾熊委員) 選択 41 : ◯答弁教育長) 選択 42 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 43 : ◯答弁教育長) 選択 44 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 45 : ◯答弁総務局長) 選択 46 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 47 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 48 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 49 : ◯答弁(知事) 選択 50 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 51 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 52 : ◯要望(尾熊委員) 選択 53 : ◯質疑(大島委員) 選択 54 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 55 : ◯要望・質疑(大島委員) 選択 56 : ◯答弁(知事) 選択 57 : ◯要望・質疑(大島委員) 選択 58 : ◯答弁教育長) 選択 59 : ◯要望(大島委員) 選択 60 : ◯質疑(桑木委員) 選択 61 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 62 : ◯質疑(桑木委員) 選択 63 : ◯答弁教育長) 選択 64 : ◯質疑(桑木委員) 選択 65 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 66 : ◯要望・質疑(桑木委員) 選択 67 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 68 : ◯質疑(桑木委員) 選択 69 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 70 : ◯要望・質疑(桑木委員) 選択 71 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 72 : ◯要望(桑木委員) 選択 73 : ◯質疑(山下委員) 選択 74 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 75 : ◯要望・質疑(山下委員) 選択 76 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 77 : ◯要望・質疑(山下委員) 選択 78 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 79 : ◯質疑(山下委員) 選択 80 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 81 : ◯要望・質疑(山下委員) 選択 82 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 83 : ◯質疑(山下委員) 選択 84 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 85 : ◯要望・質疑(山下委員) 選択 86 : ◯答弁総務局長) 選択 87 : ◯要望・質疑(山下委員) 選択 88 : ◯答弁農林水産局長) 選択 89 : ◯質疑(山下委員) 選択 90 : ◯答弁農林水産局長) 選択 91 : ◯要望(山下委員) 選択 92 : ◯質疑(宮本委員) 選択 93 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 94 : ◯質疑(宮本委員) 選択 95 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 96 : ◯質疑(宮本委員) 選択 97 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 98 : ◯要望・質疑(宮本委員) 選択 99 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 100 : ◯質疑(宮本委員) 選択 101 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 102 : ◯質疑(宮本委員) 選択 103 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 104 : ◯要望・質疑(宮本委員) 選択 105 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 106 : ◯質疑(宮本委員) 選択 107 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 108 : ◯質疑(宮本委員) 選択 109 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 110 : ◯要望・質疑(宮本委員) 選択 111 : ◯答弁(知事) 選択 112 : ◯要望(宮本委員) 選択 113 : ◯質疑(宮委員) 選択 114 : ◯答弁(会計管理者(兼)会計管理部長) 選択 115 : ◯要望・質疑(宮委員) 選択 116 : ◯答弁総務局長) 選択 117 : ◯意見・質疑(宮委員) 選択 118 : ◯答弁総務局長) 選択 119 : ◯要望・質疑(宮委員) 選択 120 : ◯質疑(土木建築局長) 選択 121 : ◯質疑(宮委員) 選択 122 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 123 : ◯質疑(宮委員) 選択 124 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 125 : ◯要望・質疑(宮委員) 選択 126 : ◯答弁総務局長) 選択 127 : ◯質疑(宮委員) 選択 128 : ◯答弁総務局長) 選択 129 : ◯要望(宮委員) 選択 130 : ◯質疑(佐々木委員) 選択 131 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 132 : ◯質疑(佐々木委員) 選択 133 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 134 : ◯質疑(佐々木委員) 選択 135 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 136 : ◯質疑(佐々木委員) 選択 137 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 138 : ◯意見(佐々木委員) 選択 139 : ◯質疑(辻委員) 選択 140 : ◯答弁教育長) 選択 141 : ◯質疑(辻委員) 選択 142 : ◯答弁教育長) 選択 143 : ◯質疑(辻委員) 選択 144 : ◯答弁教育長) 選択 145 : ◯質疑(辻委員) 選択 146 : ◯答弁教育長) 選択 147 : ◯質疑(辻委員) 選択 148 : ◯答弁教育長) 選択 149 : ◯質疑(辻委員) 選択 150 : ◯答弁教育長) 選択 151 : ◯質疑(辻委員) 選択 152 : ◯答弁教育長) 選択 153 : ◯質疑(辻委員) 選択 154 : ◯答弁教育長) 選択 155 : ◯要望・質疑(辻委員) 選択 156 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 157 : ◯質疑(辻委員) 選択 158 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 159 : ◯要望・質疑(辻委員) 選択 160 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 161 : ◯質疑(辻委員) 選択 162 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 163 : ◯質疑(辻委員) 選択 164 : ◯答弁(知事) 選択 165 : ◯要望(辻委員) 選択 166 : ◯質疑(岡崎委員) 選択 167 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 168 : ◯質疑(岡崎委員) 選択 169 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 170 : ◯質疑(岡崎委員) 選択 171 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 172 : ◯質疑(岡崎委員) 選択 173 : ◯答弁総務局長) 選択 174 : ◯質疑(岡崎委員) 選択 175 : ◯答弁(知事) 選択 176 : ◯要望・質疑(岡崎委員) 選択 177 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 178 : ◯質疑(岡崎委員) 選択 179 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 180 : ◯要望(岡崎委員) 選択 181 : ◯質疑(平田委員) 選択 182 : ◯答弁(知事) 選択 183 : ◯要望・質疑(平田委員) 選択 184 : ◯答弁(知事) 選択 185 : ◯要望(平田委員) 選択 186 : ◯質疑(窪田副委員長) 選択 187 : ◯答弁教育長) 選択 188 : ◯質疑(窪田副委員長) 選択 189 : ◯答弁教育長) 選択 190 : ◯要望・質疑(窪田副委員長) 選択 191 : ◯答弁教育長) 選択 192 : ◯要望・質疑(窪田副委員長) 選択 193 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 194 : ◯質疑(窪田副委員長) 選択 195 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 196 : ◯要望・質疑(窪田副委員長) 選択 197 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 198 : ◯要望(窪田副委員長) 選択 199 : ◯質疑(松浦副委員長) 選択 200 : ◯答弁(知事) 選択 201 : ◯意見・質疑(松浦副委員長) 選択 202 : ◯答弁(知事) 選択 203 : ◯意見・質疑(松浦副委員長) 選択 204 : ◯答弁(知事) 選択 205 : ◯要望(松浦副委員長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時31分  (2) 記録署名委員の氏名        大 島 昭 彦        桑 木 良 典  (3) 知事挨拶  委員の皆様には、去る9月定例県議会におきまして、決算特別委員会が設置されて以来、終始熱心に御審査をいただきまして、まことにありがとうございました。  審査の過程におきまして、委員の皆様からいただきました貴重な御意見、また、御提言につきましては、今後の県政運営に反映させてまいりたいと考えております。  本日は、決算の総括審査をしていただくわけでございますが、どうか十分に御審査を賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  (4) 質疑・応答 ◯質疑石橋委員) おはようございます。自民議連の石橋林太郎でございます。早速質問に入らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まず、知事にお伺いいたします。  少子化は我が国が直面する大問題の一つでありますが、その原因は何であり、解決するために何が必要であるとお考えでしょうか、端的にお聞かせください。 2: ◯答弁(知事) 少子化の直接的な原因は、若い世代の女性人口の減少と、若者の未婚率の上昇や晩婚化・晩産化の進行などであり、その背景には、多種多様なライフスタイルの変化による出会いの場の不足や、いわゆるおせっかい文化の衰退、経済的・社会的な自立が進まない若者の増加、仕事と子育ての両立の負担感の増大、子育てに関する精神的・経済的な負担など、さまざまな要因が複雑に相関しているものと考えております。  そのため、結婚、妊娠・出産、子育てにおける切れ目のない支援はもとより、女性人口の社会減対策や、働き方改革を含めた仕事と子育ての両立支援、子育て環境の整備を一体的に進めていくことが必要でございます。  結婚を希望する若者が結婚し、仕事と子育ての両立の負担感が解消されて、安心して子育てができるような環境整備を進め、家庭や子育てに夢や希望を持つことができる広島県を目指していくことが解決策であると考えております。 3: ◯質疑石橋委員) 昨年度、県におかれましては、事業所内保育施設の開設促進や、県庁内保育所設置モデル事業といった保育サービスの充実を図る新規事業を実施されております。  共働き家庭やひとり親家庭の増加に伴う保育サービスへのニーズの高まりを考えますと、本県においてもそういった問題にしっかりと取り組むべきものと思っております。しかしながら、共働き家庭やひとり親家庭など主に保育サービスを必要とする家庭がある一方で、夫が専ら稼ぎ、妻が専ら家事・育児をするという、いわゆる典型的家族と呼ばれる世帯もあります。  出産を機に約半数の女性が離退職している現状を鑑みますと、小さい子供を持つ家庭の大半は典型的家族であると言えると思いますが、県民希望出生率1.85や、人口置換水準2.07という出生率を実現するためには、この典型的家族を対象にした支援メニューをより充実させるべきだと考えております。  子だくさん家庭に対する積極的な経済的支援や3世代同居・3世代近居の支援、また、一時保育の充実といった在宅育児環境の改善策並びに育児が一段落した母親の復職支援など、さまざまな施策が考えられると思いますが、少子化対策、子育て支援、また、女性の活躍促進策として、こうした典型的家族向けの施策の実施もぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、知事の御所見をお伺いいたします。
    4: ◯答弁(知事) 子育てに対する希望や子育てを取り巻く環境はそれぞれの家庭によって異なることから、県といたしましては、さまざまなニーズに対応できる多様な子育て支援を行うことが必要であると考えております。  これまでも地域で安心して子育てできるよう、子育てサークルの育成支援や地域子育て支援拠点の整備など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。  多子世帯への財政的支援につきましては、昨年度、国の交付金を活用した子育てクーポン券の配付を行うとともに、本年度からは保育料の負担軽減の拡充を図っているところであります。  また、一時的に乳幼児を預かる一時保育につきましては、市町が一時預かり事業として、子育て支援センターや保育所などにおきまして県内約300カ所で実施しており、平成27年度は約23万件の利用がございました。  働きたい女性の再就職支援については、広島、福山両市にあります、わーくわくママサポートコーナーにおいて、きめ細かな相談対応などに取り組んでおります。  今後もこうした県の取り組みを充実させていくとともに、3世代同居支援なども含めまして、県民のさまざまなニーズを的確に把握しながら、全ての子育て家庭を社会全体で応援し、次代を担う子供たちが健やかに成長できる広島県の実現に取り組んでまいります。 5: ◯質疑石橋委員) 次に、子育て支援のあり方について少しお伺いしたいと思いますけれども、その前に、とあるお母さんの書かれたブログ記事を紹介させていただきたいと思います。  彼女は、独身のときには好きな服を着てはやりの雑誌を読み、自由気ままに生きてきた。そして、母になった今、日々の生活や子育てに追われています。きれいなヒールは泥だらけのスニーカーにかわり、ファッション誌は幼児への連絡帳にかわり、メークにもヘアにも時間をかけてなんかいられません。きれいに片づいた部屋も大の字でゆっくり眠れる夜ももう思い出せないと言います。ひとりの時間がほしいと願い、ひとりの時間がつくれたときには子供に邪魔されず好きなことができる喜びを心底かみしめる。  そんな彼女はこう言います。ひとりでゆっくりお風呂に入れるようになったら、湯船の中、あなたと向き合い数を数え、やわらかく響いたあなたの声を私は思い出すのでしょう。好きなだけヒールが履けるようになったら、笑い転げるあなたを追いかけ走り回り、泥だらけになって遊んだあの空を思い出して私は泣くのでしょう。ひとりで好きなことを好きなときに好きなだけできるようになったら、どんなときも、ママ、ママと私を呼び、私のことを探すあなたの姿を思い出して私は泣くのでしょう。子供と毎日一緒にいる日常を、つい当たり前のように思ってしまうけれども、でも、自分の人生を考えてみたら、特別なのは本当は子供がそばに生きているこの毎日のほう。私たちは、この命が尽きるまでどんなに離れても子供を思い、心配し、愛し続ける母親だけれど、でも、子供たちのそばでママでいられることのできる日の何て短いことかをいつか思い知るのでしょう。きょうも、あなたは屈託のない笑顔で振り向き、ママと言って両手を広げてこちらに飛び込んでくる。あなたがいてくれるこの毎日を私は絶対に忘れない。自分のことが一番大切だったそんな私に、自分の命よりも大切だと思える存在がこの世にあると教えてくれた子供たちに心から感謝を。  この記事は、ブログが大人気で書籍化もされた人気ママブロガーであるLICOさんの「ママの毎日」という文章から抜粋させていただきましたけれども、ここにつづられているように、幼い子供との日々は、親にとっても、子供にとってもかけがえのないものであると思います。  昨年度、幼児教育アクション・プランの策定に向け県教委が実施された調査でも、乳幼児期の養育環境の重要性を示していらっしゃいますし、また、乳幼児期は愛着形成にとって大変重要な時期でもあります。  その大切な時期の親子の時間を結果として減らしてしまうことにもつながる乳幼児向け保育サービスの拡充を子育て支援策の一つとして位置づけていらっしゃいますが、そのことにつきどのようにお考えか、知事の御所見をお伺いします。 6: ◯答弁(知事) 女性の社会進出が進んでライフスタイルが多様化する中、保護者が求める子育てのニーズも多様化しており、それぞれに対応できる子育て支援を行うことが重要であると認識しております。  保育サービスにつきましては、主に仕事をしながら子育てを行う保護者に対する支援でありますが、昨年度からは、国において妊娠・出産や下の子の育児など、保護者の状況に応じて柔軟にサービスが利用できるよう改善されたところでございます。  県としては、広島県の子供たちが健やかに育っていけるよう、多様な子育て支援を行う中で、保育サービスの支援の拡充もその一つであると考えており、今後策定する幼児教育アクション・プランも踏まえながら、安心して子育てができる環境づくりを進めてまいります。 7: ◯要望・質疑(石橋委員) ぜひ、多様な子育て支援の一つに在宅育児支援の強化も入れていただきたいと思います。  続きまして、府中緑ヶ丘中学校の事案についてお伺いいたします。  皆様御承知のとおり、本件は事実誤認に基づく不適切な進路指導がなされた後、3年生の男子生徒がみずから命を絶ったという大変不幸な事案であります。  先ごろ、第三者委員会による調査報告書が提出されましたけれども、事実誤認に基づく進路指導以外にも学校の運営体制、生徒と教員との信頼関係、生徒指導や進路指導のあり方など、さまざまな問題点が指摘されております。  自殺事案のあるなしにかかわらず、学校のあり方自体、我々県民の期待するものではなかったという点は、まことに残念でなりません。  そこで、調査報告書の内容につき、どのような御所見をお持ちか、また、指摘された問題の改善に向け、今後どのように取り組まれるおつもりか、教育長にお伺いいたします。 8: ◯答弁教育長) とうとい命が失われるということは決してあってはならない、そうした覚悟を持ってこの答申をしっかりと受けとめ、取り組んでいかなければならないと思っております。  とりわけ、答申では教育の原点とも言える子供に寄り添った教育ができていないことが指摘されており、このことは、当該校だけでなく、教育に携わる者全体が厳しく受けとめる必要があると考えております。  このほか、管理職のリーダーシップのあり方、進路指導や生徒指導のあり方、教育委員会の学校指導のあり方、市町教諭の指導のあり方、入試のあり方など、さまざまな観点から丁寧に答申されており、一つ一つの課題をしっかりと受けとめ、整理分析し、当該校個別の課題については、町教委を通じてしっかりと支援するとともに、全県的に普遍化しなければならない課題については、これまでの取り組みをしっかりと見直し、再発防止に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 9: ◯質疑石橋委員) 教育長もおっしゃったとおり、このような事案は、二度と繰り返されてはならないと思います。  そこで、将来に向け、今回の事案の責任の所在を明らかにすることが、今後こういった事案が発生しないためにも重要と考えますけれども、この事案につき、誰がどう責任をとるべきとお考えか、教育長にお伺いいたします。 10: ◯答弁教育長) 第三者委員会の答申では、一般的に自死の原因を特定することは極めて困難でありますが、推薦・専願基準の運用変更によって当該生徒が志望する高校の専願受験が認められなかったこと、当該生徒と教員との間に双方向の信頼関係やコミュニケーションがなかったこと、学校が共感的・支援的なサポートを行わなかったこと、当該生徒のパーソナリティーの特性から、苦悩や自死を疑わせるような会話を一切行っておらず、周囲も気づくことなく、自死を阻止する対応ができなかったこと、これら複数の要因を背景として、残念ながら自死に至ったと考えられるとされております。  さらに答申には、こうした自死の背景に加え、学校の対応の問題点や再発防止に向けての提言もされているところであり、これらを一つ一つしっかりと受けとめ、整理分析し、学校や市町教育委員会と一体となって、二度とこのような悲しいことが起きないよう再発防止に向けた取り組みを全力で進めることが教育委員会としての責任であると考えております。 11: ◯要望・質疑(石橋委員) もとより特定の誰かの責任ではないと思いますけれども、子供たちに範を示す意味でも、そして我々県民からの信頼を回復する意味でも、しっかりとした対応を心から強く要望させていただきたいと思います。  続きまして、農作物の鳥獣被害対策についてお伺いいたします。  昨年度の鳥獣被害額は4億1,300万円であり、減少傾向にはありますが、依然として大きな額であります。  関係自治体が連携して効率的な対策をとるべきと考えますが、まず、鳥獣被害対策における国、県、市町の役割分担がどうなっているのか、お伺いいたします。  また、その役割分担を踏まえた上で、鳥獣被害対策に関する本県の基本方針についても、あわせてお伺いいたします。 12: ◯答弁農林水産局長) 国、県、市町の役割分担についてお答えいたします。  国は、鳥獣被害防止特別措置法に基づき、鳥獣による被害を防止するための施策を総合的かつ効果的に推進するため、地方自治体に対して補助事業や特別交付税措置を行っております。それに対応して、市町は法に基づく被害防止計画を策定し、侵入防止柵の設置や捕獲などの被害対策に取り組んでおります。  さらに、県は市町に対して被害防止計画に基づき、補助事業や捕獲などが適切に行われるよう環境改善、侵入防止及び捕獲による総合的な取り組みを基本的な方針とし、助言指導などを行っております。 13: ◯質疑石橋委員) 鳥獣被害を受けているのは主に農業者であると思いますけれども、駆除作業に従事していらっしゃるのは、主として猟友会メンバーであると聞いております。  猟友会メンバーの高齢化に伴い、駆除の担い手が少なくなっておりますが、そこで提案ですけれども、駆除と狩猟の線引きが曖昧な現状を解消しより効率的な駆除を進めるために、実害をこうむっている農業者の方に、より積極的に駆除作業に携わっていただいたり、また、銃器を扱った経験のある警察OBや自衛隊OBの方々を駆除部隊にリクルートしていくというような取り組みを推進されてはどうでしょうか。  実際に、島根県美郷町では、15年ほど前から猟友会とは別の駆除組織を設立し活動しており、鳥獣被害対策に有効に機能していると聞いております。また、認定鳥獣捕獲等事業者制度も創設されたところであります。  この制度の活用も含めて御検討いただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いいたします。  また、現在は市町を越えて鳥獣の駆除は実施していないと伺っておりますけれども、県として広域的な駆除を進めるためにどのような取り組みをされているのか、あわせてお伺いいたします。 14: ◯答弁農林水産局長) 県では、イノシシ等捕獲技術研修会を開催するなど、捕獲を行う農業者の育成を図ってきたことから、近年、わな猟免許取得者数が増加し平成26年度で約3,700名となっており、農業者みずからも主体的に捕獲に取り組みつつあると認識いたしております。  次に、鳥獣被害に対する捕獲は、わなによる捕獲が約7割を占めており、銃器の使用はとめ刺しなどに有効であることから、猟友会員の射撃訓練などを行い、技量の向上を図っているところでございます。  引き続き、市町と猟友会が連携しながら、捕獲効果のある現在の仕組みを踏まえ、認定鳥獣捕獲等事業者制度も含めて、より効果的な捕獲対策を検討してまいりたいと考えております。  さらに、広域的な駆除につきましては、地形や獣道などの土地カンがないと効率的な捕獲が難しいことから、市町を越えての捕獲は厳しい状況にあります。  このため、県では、地方機関単位で、市町や農協等から成る広域連携協議会を組織し、市町境を接する猟友会等とも連携しながら鳥獣被害対策を推進してまいります。 15: ◯質疑石橋委員) 続いて、野生鳥獣の食肉、いわゆるジビエの利活用についてお伺いいたします。  近年、捕獲鳥獣や駆除鳥獣などの野生鳥獣の食肉、いわゆるジビエによる地方創生の動きも活発になってきていると伺っております。  そんな中、現在、安芸高田市が地方創生加速化交付金を受け、日本初となるHACCPを取り入れた鳥獣害対策の推進によるジビエ特産化促進事業の取り組みを進めているとのことであります。  この取り組みが成功すれば、本県における鳥獣被害対策の一つのモデルになるのではないかと考えますが、地方創生の観点も踏まえ、今後県としてどのような支援をしていくつもりか、お聞かせください。 16: ◯答弁農林水産局長) 県内でイノシシや鹿を食肉処理している施設は15カ所と増加傾向にあり、平成27年度には約900頭が処理されております。  しかしながら、イノシシなどの野生鳥獣を食肉として有効活用するためには、安芸高田市を含め、処理施設への搬入やとめ刺しなどを適切に行う仕組みや安定供給などが大きな課題となっております。  このため、県といたしましては、ジビエとして利活用を検討している市町や関係者と、課題解決の方策を協議・検討してまいりたいと考えております。 17: ◯要望石橋委員) 最後に、防災・減災対策について要望して終わりたいと思いますが、先般、広島市安佐南区八木にあります復興交流館モンドラゴンにおきまして、地元の方と防災のお話をさせていただいた際に、東京都が発行しております東京防災という防災ブックの存在を教えていただきました。  大変充実した内容であり、本県が取り組んでいる広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動で掲げる、知る、察知する、行動する、学ぶ、備えるという五つの行動目標を網羅した内容でありました。東京都は、この防災ブックを防災マップとセットにして、都内の全世帯に無償配付し、都内の全学校の全教室に備えつけているというお話がありました。災害対策、防災教育に取り組む東京都の本気度を感じたところであります。  こういった東京防災のような県民共通のテキストがあれば、防災教育を進める上で大変有効であると思います。こういった防災教育のテキストづくり、また、県下の小・中・高等学校においてしっかりとした防災教育を進めるように、心からお願いを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴、まことにありがとうございました。 18: ◯質疑畑石委員) 自民議連の畑石でございます。  初めに、決算特別委員会における部局別審査を終えた感想を述べた上で、総括審査に入りたいと思います。  重点施策でもある地方創生にかかわるような事業については、予算の大小にかかわらず多くの事業が組まれています。全体的に目標設定や成果の検証のあり方に厳しさがない印象を受けました。時流に乗った施策や事業には予算が配分されやすいだけに、政策的効果や進め方をより厳しく検証・反省し、場合によっては事業の廃止も含め、次年度につなげていただきたいと思います。  一方で、中期財政健全化計画において削減対象になっていた公共事業などは、事業箇所が順番待ちをしているような状況にもかかわらず、あらかじめ決められた計画のもと、厳格に進められ過ぎていると感じています。  財政健全化については、これまで知事を初めとした職員各位の不断の努力により、目覚ましい成果を上げていることは心から敬意を表するところであります。しかしながら、歳出や人員の削減に比重を置き過ぎた健全化は、県域の成長を阻害し、かえって将来世代への責任を放棄したことになるのではないでしょうか。借金の削減が行政運営の最終的な目的ではなく、人、物、金の循環を促し、県域全体の経済規模を拡大させ、人々の暮らしを豊かにすることこそが、我々の本来の目的であると思っています。経済規模を拡大させたとき、その再配分として税収がふえ、国や県の財政的バランスが徐々に保たれるのだと思います。  以上を述べさせていただいた上で、質問に移らせていただきます。  平成27年度のプライマリーバランスの黒字は517億円に達し、6年連続のプラスとなりました。つまり、借金が517億円減ったことになります。それに加え、歳入決算額と歳出決算額との差は63億円余りのプラスとなり、翌年度への繰越財源を除く実質収支額22億円がプラスとなりました。  一方で、中期財政健全化計画の最終年度となる平成27年度の当初予算編成時点での実質県債残高は、前年度より293億円減が目標でありました。ということは、517億円から293億円を差し引いた224億円に実質収支額分22億円を足した246億円の財源は、県民生活向上に必要かつ有効な使途に使うことができたことを意味すると考えています。  将来への成長に資する投資や安全・安心を高める事業のために年度内に必要な投資に振り向ける、もしくは翌年度以降に必要な事業を拡充することができると考えますが、こうした考え方について、総務局長の所見をお伺いしたいと思います。 19: ◯答弁総務局長) 平成27年度におきましては、執行段階での経費の節減や歳入確保によりまして、退職手当債の発行抑制などに取り組んだ結果、当初予算編成時の見込みを上回る実質的な県債残高の縮減が図られたところでございます。  一方、本県では依然として実質的な県債残高は1兆円を超え、今後も高い水準で推移する見込みでありまして、将来負担比率につきましても全国平均を大幅に上回る状況となっております。  このため、御指摘のとおり、必要な事業の拡充等も当然考えるわけでございますが、一方で、将来負担比率が全国平均を大幅に上回る現状を踏まえますと、将来にわたりまして県政の持続的な発展のために必要となる政策的経費の継続的な確保を図るため、県債発行額の適切なマネジメントが必要であると考えております。 20: ◯質疑畑石委員) 中期財政健全化計画に基づいて、恐らく今おっしゃった将来に向かっても借金を減らしていくという努力をされる。中期財政健全化計画がまずあって、その中で、借金を減らしていっていると思いますので、次の質問につなげていきたいと思います。  土木建築局の道路事業や急傾斜事業、公安委員会の信号機や警察庁舎耐震化など、事業の実施は必要だが順番待ちとなっている事業は数多くあります。  当初予算を拡充して、このような事業を円滑に進めていくことが本来であると思いますが、当初予算段階での拡充が難しいのであれば、予算執行の柔軟な対応によって、順番待ちをしている事業の推進が可能になるのではないでしょうか。  公安委員会の審査の際にも指摘させていただきましたが、警察費においては減額補正額と不用額を合わせて11億円程度が予算執行されませんでした。職員給与費が思ったよりかからなかったことなどが主な理由になりますが、この11億円のうち幾らかを、例えば、2月補正にて順番待ちをしている事業に振り向け、翌年度に当初予算事業に追加をして実施すれば、順番待ちの緩和にはつながると思います。  公安委員会の審査において質問をさせていただいた際には、不用額については2月補正にて不用額が生じないよう減額補正していると御答弁をいただきました。  一方、土木建築局の審査においては、急傾斜事業では、当該年度執行が困難となったものについて、9月以降に事業内で調整し、ほかに執行可能な箇所に予算を回すことで、早期の効果発現を図っていると御答弁いただいたところでございます。  しかしながら、公共事業の場合、議会での議決、入札を経ての発注業務、そして現地での工事期間と、単純に信号機を設置するような軽微な工事であっても4カ月ほどの期間を必要とします。すなわち、仮に9月議会において補正予算を組んだとしても、急傾斜事業などでは、規模の小さいもので、かなり限定された条件の事業しか行えなくなります。  一方で、早い段階での補正予算となると、事業年度の中途であるため、予算全体で実質収支額がプラスとなるかどうかなども不明確となり、流動的に使える予算も限られてきます。  地方自治法に基づく会計年度単独及び独立の原則が課題となり、県民の安全・安心向上のために実施すべき事業が数多くあるにもかかわらず、そして、中期財政健全化計画を達成させた上で予算も余剰があるにもかかわらず事業実施できないという状況が生じています。  地方自治法上、会計年度独立の原則の例外として繰越明許費が認められており、土木建築局の審査の際にも、先ほど例示したような繰り越し事業の実施も何ら制約は受けないと御答弁いただきました。  各部局が効率的な執行に努めた結果生じた不用額など、中期財政運営方針に基づく財政運営に影響を及ぼさない場合に限り、翌年度への事業の繰り越しも含めて認めるなど、柔軟で機動的な予算執行のあり方の是非について、総務局長にお伺いします。 21: ◯答弁総務局長) 予算編成に当たりましては、当初予算におきまして、所要額を適切に計上いたしますとともに、その後の状況変化などを踏まえまして必要性が認められる事業につきましては、不用額の有無にかかわらず、機動的に補正予算に計上を行っております。  一方、経費節減の努力などによって不用が確定しているものにつきましては、最終補正予算の段階であらかじめ減額の整理を行うことにより、退職手当債など県債の発行抑制や基金の取り崩し抑制を行い、政策的経費が将来にわたって確保できるよう努めているところでございます。  なお、最終補正予算編成以降の減額は、結果的に決算段階において不用額として計上されるわけでありますが、不用によって生じた財源は、翌年度において、補正予算などに活用しております。  今後とも、適切な予算編成に努めますとともに、予算執行段階においても経費の節減などに努めまして経営資源の有効活用を図ってまいりたいと考えます。 22: ◯要望・質疑(畑石委員) 財源の有効な活用をしていただきたいと思います。  今、御答弁いただいた繰り越し事業について、もう少し具体的な例を挙げて、次の質問に移りたいと思います。  引き続き順番待ちとなっている事業の一つとして、円滑な事業実施が求められている急傾斜事業のうち、市町が行う県費補助事業について、質問させていただきたいと思います。  土木建築局の審査の際にも質問させていただきましたが、平成27年度の市町からの県費補助要望額の総計は7億2,000万円余であり、これに対し、県費補助の決算額は約3億2,000万円余であります。予算が限られているため、県が行う急傾斜事業もそうでありますが、事業の要望から10年近くたって、ようやく工事が実施されるような状況であります。  私も議員になってまだ1年半余りでありますが、梅雨時期に雨が降ると夜も眠れないという切実な訴えを数多く聞かせていただいているところでございます。  本件についての土木建築局の見解は、県単独の砂防事業費が削減される中で、市町への補助額は減額しないよう配慮しているとおっしゃっております。  しかしながら、暮らしの安全・安心に対して県民から不安の声が寄せられる事業に4億円程度の増額をすることは、土木建築局の予算規模から考えても、また、冒頭の質問のとおり、中期財政健全化計画に対して224億円ものプラス、実質黒字額が22億円もある中で、そこまで困難なことでしょうか。わずか4億円、全額が難しいのであれば、せめて半額でも増額できないのは、予算がないからではなく、急傾斜地の近くに住む住民の不安な気持ちに寄り添っていないからではないかと言えるのではないでしょうか。  土木建築局においては、翌年度の梅雨時期までに事業を進捗することが見込める場合は、繰り越しができることとするなど、柔軟な運用ができないでしょうか。あるいは、もっと根本的に、当初予算において市町急傾斜事業への県費補助金を思い切って増額するなどの対応ができないでしょうか。このような県の対応により、市町においては今まで以上に事業の執行を加速化することができますし、これは理にかなったことではないでしょうか。  急傾斜事業は、県民の身近な生活環境において、特に安全・安心の向上に直結する事業と考えていますが、現行の補助制度の運用改善や事業予算を拡充するなどの取り組みにより、県民の気持ちに寄り添う土木建築局長の決意をお伺いしたいと思います。 23: ◯答弁(土木建築局長) 本県が進める急傾斜地崩壊対策事業につきましては、市町からの意見を伺い、平成28年3月に策定いたしましたひろしま砂防アクションプラン2016に基づき、住宅密集地や避難場等を保全するなど、緊急性や整備効果が高い箇所を優先し国の交付金事業を活用した対策工事を計画的に行っているところでございます。  また、規模の小さい危険箇所の対策につきましては、市町が行う工事に対し県費補助を行っているところであり、毎年、多くの実施要望がある中、市町への県費補助金の確保に努めているところでございます。  このようなことから、市町への県費補助金につきましては、年度内での執行が困難となった場合は、年内をめどに年度内の執行が可能である市町へ再配分するなど、整備効果の早期発現に向けて、予算の執行に努めているところでございます。  今後、県費補助制度の運用につきましては、大規模な土砂災害が発生し、次期出水期までに緊急的な対応が必要となった場合など、繰り越しを含め、柔軟な予算の執行に努めてまいります。  引き続き、急傾斜地崩壊対策事業の実施に当たっては、安全・安心なまちづくりの実現に向けて、市町の実情を伺いつつ、計画的な推進に努めてまいります。 24: ◯要望畑石委員) 中期財政健全化計画とのバランスをとりながら、予算の順番待ちをしているような事業に対して、柔軟な予算執行も含め、県民の安全・安心、それから将来への投資をぜひともしていっていただきたいと要望します。  最後に、冒頭にも申し上げた歳出削減に比重を置き過ぎた財政健全化の例を取り上げさせていただき、要望した上で、質問を終わりにしたいと思います。  県庁舎を初めとする県有施設における電力入札については、平成16年度より行われ、平成28年度現在において、32施設において入札を実施されたところであり、今後も広島県警の施設等、対象が拡大される様相でございます。
     平成27年度には契約更新のため、県庁舎本館、東館を初めとする施設の電力入札が行われ、多くの施設で、本年度4月より新電力による電力供給が行われています。  新電力による電力供給の多くは、電力市場で余剰電力を購入し、電力を供給する形態をとるため、例えば、建築や土木事業のように、技術力が問われることはなく、入札を行った場合、単純に価格を競争することとなります。  一方で、中国電力を初めとする実際に電力を生み出している企業の多くは、広島県内において雇用、設備投資、税収において多大な経済的貢献を果たしています。  平成16年度以降、中国電力以外の落札業者5者のうち、広島県内に支店を置く企業はわずか2者にとどまり、安い電力の供給という歳出削減効果を除けば、広島県への貢献は皆無と言っても過言ではないと思っています。  民間企業や一個人においては、額面の電気料金で購入先を決めることは当然のことでありますが、公共が果たすべき役割を考えたとき、民間企業や一個人とは同列に論ずることはできないはずです。赤字を計上している土地造成事業などで事業を行っているのは、執行部の過去の答弁にもあるように、広島県にもたらす経済効果を考えてのことでありますし、商工労働局においては企業誘致をするため、さまざまな助成金を準備しているのも同じ考え方だと思います。  歳出コストの削減だけを優先するのではなく、電力も含め、県内で調達できるものはなるべく県内から調達し、人、物、金の好循環を促すことが、広島県の経済規模の維持・拡大につながり、長い目で見れば広島県の財政バランスにも寄与すると考えています。  こうした視点で電力入札という施策の効果をよく検証した上で、入札制度の改正等にも取り組んでいただくことを要望して、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。 25: ◯質疑(西本委員) 民主県政会の西本博之でございます。早速、質問に入らせていただきます。  部局審査においてもお聞きした点がありますけれども、確認という意味で再質問させていただきますので、御了承をよろしくお願いいたします。  それでは、1番目の質問でありますけれども、平成27年度主要施策の成果に関する説明書の見える化についてお聞きしたいと思います。  この説明書に、事業の説明、成果の目標、そして平成27年度実績の後、今後の課題と今後の取り組み方針が記載されております。なぜ、その課題や取り組み方針に至ったのか、その分析なり考察のまとめがございません。そういった意味で、正しい方向性を導く上で、分析を入れるなどの改善の必要性を感じたところであります。  また、執行部と議会の認識を共有化する意味でも、分析を説明書へ記載し、分析の見える化を進めていただきたいと思うところであります。  また、その件にあわせて、実現に向けた実施時期についても、ある程度見込みがあるのであれば、お聞きしたいと思います。 26: ◯答弁(経営戦略審議官) 本県では、ひろしま未来チャレンジビジョンの実現に向けて、同一の目標を達成するための事業群をワークとして整理し、ワークを基本にPDCAを回しておりまして、主要施策の成果に関する説明書には、ワークごとに成果と目標の乖離要因の分析を行い、その結果を踏まえて今後の取り組みの方向を記載しております。  ワークを構成する個々の事業につきましても、同様にこのような分析を実施しておりますが、御指摘のように、主要事業の成果につきまして、十分記載されていない事業もございます。  事業の進捗状況と目標との乖離要因などにつきまして分析をしっかり行うことを心がけてきましたが、いまだ不十分な点もあり、御指摘を踏まえまして、来年度からも、主要事業の成果に関する説明書におきまして、わかりやすく見えるように努めてまいりたいと考えております。 27: ◯要望・質疑(西本委員) どうぞ、しっかりと進めていただくことを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  先ほど、PDCAサイクルというのをお話しされましたけれども、やはり、分析という意味ではシー・シンク・プラン・ドゥーということで、しっかりと見て、しっかりと分析するということが大事だと思いますので、そのことも踏まえて、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、続いて2番目の質問に入らせていただきます。2番目は、不妊治療支援事業の対象年齢についてお聞きしたいと思います。  予算執行状況と、不妊治療支援事業の実績状況のいずれも、投資効果が十分発揮できていないというふうに見させていただきました。対象年齢を現行の35歳から40歳に引き上げて事業を進めていくと、やはり効果がしっかりと向上できたのではないかと思います。  そのことについてどう思われるか、あわせて今後の対象年齢の引き上げの実現に向けての所見を、健康福祉局長にお伺いいたします。 28: ◯答弁(健康福祉局長) 不妊検査費助成事業は、国の特定不妊治療の助成に加えて、不妊の原因の約半数を占める男性の不妊検査を促し、また女性にはできるだけ早期に不妊治療を開始していただくことを目的として、平成27年7月から新たに実施したものでございます。  平成27年度の申請実績は、目標の1,000件に対して284件と大きく下回りましたが、助成決定者に調査を実施したところ、助成対象範囲のわかりにくさや助成対象が検査のみであることから、助成額が少額にとどまることなどが課題として挙げられました。  このことから、本年10月からは、不妊検査費のみならず、薬物療法や人工授精を含めた一般不妊治療まで助成対象を拡大したところでございます。  対象である妻の年齢を35歳未満としておりますのは、医学的に女性の年齢が35歳を超えると妊娠する確率が低下すると言われていることから、制度の実施にあわせ、早期の検査受診と適切な治療の重要性について普及啓発を図っているところでございます。  今後も、早い段階から検査治療を促進するよう効果的な不妊治療費について検討してまいります。 29: ◯質疑(西本委員) 確かに医学的な話は重要な点でもありますし、しっかり検討することだと思います。ただ、世間のニーズというか社会的ニーズとしては、35歳から40歳に広げることによって、その不妊治療に臨みたいという思いはあるように思います。  そういった意味では、対象年齢を広げていくということについて、いま一度どのようにお考えなのか、わかりやすく御答弁いただければと思います。 30: ◯答弁(健康福祉局長) 現状では、治療の効果がある方に早期の治療を促すという政策誘導の意味もございまして、年齢を35歳までに限っております。  35歳以上の方のニーズに沿っていないということでございますけれども、現行の制度の効果を確認しながら、制度の改善について考えてまいります。 31: ◯質疑(西本委員) 繰り返しになるようでありますけれども、それでは、40歳に広げたときにその効果はないとお考えなのか、御答弁をお願いいたします。 32: ◯答弁(健康福祉局長) 35歳を超えましても、不妊治療の効果が全くないわけではございません。当然ながら、40歳までに広げても一定の効果はあると考えておりますけれども、この制度の趣旨は、早期の不妊治療を促すということで設けているので、御理解いただきたいと思います。 33: ◯要望・質疑(西本委員) 思いとしては、本当に子供ができない御夫婦のことを考えたときに、やはり手を差し伸べることが重要であると考えております。そういったことも考慮しながら、ぜひ検討していただければと思います。  それでは、続いて3番目の質問に入ります。信号機の設置についてお伺いいたします。  交通安全施設整備費の信号機の設置についてでありますが、年間で約5億7,798万円予算執行を行い、県内に12カ所の設置ということであります。  県民の皆様の要望や、県内交通事故者数や交通事故発生件数の削減といった効果の向上のためにも、信号機の仕様の技術革新等の改善や、場合によっては予算増額などにより信号機設置数をふやす必要があったのではないかと思うところであります。  その点について、警察本部長に御所見をお伺いしたいと思います。 34: ◯答弁(警察本部長) 信号機等の交通安全施設につきましては、多くの施設の老朽化が進んでいるところでございます。これら老朽化した施設につきましては、信号機の誤作動や信号柱等の倒壊などにより、交通の危険を生じさせるおそれもありますことから、これら老朽化した施設の更新等への対応も重要となっております。  こうした情勢の中、交通安全施設の更新、改良や新設も含めまして、緊急性や必要性の高いところからの整備を検討いたしました結果、平成27年度は12カ所の信号機を新設したところでございます。  県警察といたしましては、交通安全施設を適切に維持管理しながら必要な信号機を新設するため、引き続き、交通安全施設のライフサイクルコストを削減する取り組みを推進するほか、今後も、県民の皆様からの要望箇所につきましても十分な検討を行い、真に効果的かつ必要な場所への信号機の設置を進めてまいりたいと考えております。 35: ◯要望・質疑(西本委員) この件についても、実際に交通事故を減らし、死亡事故を減らしていく取り組みを積極的に強く進めていくのであれば、その根本となる事故の発生を防ぐためにも信号はニーズが高いと思いますので、引き続き御検討をよろしくお願いいたします。  それでは、続いて広島空港の活性化についてお伺いいたします。  平成27年度の事業については、広島空港ネットワーク充実事業、新規国際定期路線誘致事業等、効果をより発揮し、広島空港を活性化していただいていることは評価するところであります。  ただ、一方で、やはり軌道系アクセスの整備が優先すべき課題であり、それを進めていかないと利便性の向上、そして実際に空港を使っていただくことはなかなか難しいのではないかと思います。  軌道系アクセス整備を優先すべきと考えておりますけれども、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 36: ◯答弁(知事) 広島空港が中四国地方の拠点空港として今後も継続的に発展していくためには、空港アクセスの強化に加え、航空路線網の充実や広域的な集客が重要であると認識しております。  このため、航空路線網の充実として、訪日需要が急速に高まっている東アジア、東南アジアからの路線誘導に取り組むなど、海外からのインバウンド需要の取り組みを図っていくとともに、低運賃で新たな需要を創出するLCCや、国内の地方空港間を小型ジェット機で結ぶ新規航空会社にも目を向けるなど、今後成長が見込まれる新たな市場の開拓にも取り組んでおります。  一方、空港アクセスの強化につきましては、当面は速達性・定時性の強化を図る観点から、広島高速5号線の整備を着実に進めるとともに、空港アクセスの代替性・多重性の強化を図る観点から、国道2号東広島・安芸バイパスや主要地方道矢野安浦線などの整備を引き続き推進することとしております。  軌道系を含む空港アクセスにつきましては、速達性の向上、定時性の確保及びリダンダンシーの確保を含む柔軟性の向上といった観点に着目しつつ、利用者ニーズを踏まえながら総合的な検討を進めてまいりたいと考えております。  今後とも空港アクセスの強化に加え、航空路線網の充実や広域的な集客能力の強化など、広島空港の活性化に向けた取り組みを推進して、本県の持続的な経済成長につなげてまいりたいと考えております。 37: ◯要望・質疑(西本委員) 今回、この決算でとりわけ気になったのは、広島空港の活性化であります。これまでを含めても相当な予算を執行してきているわけでありまして、実際に投資対効果という意味では、その効果があったのか、非常に気になっているところであります。  平成27年度については、航空機の事故等に起因し、減少傾向にあったとありましたけれども、しっかり分析していくと、幾ら空港が誘致を進めていくとしても、広島県内の利用する方、そして外国を含め広島空港を使いたい、使おうとする方については、やはり軌道系アクセスの利便性が必要なのではないかというところであります。今からさらに広島県の経済を発展させ、よりよい広島県にしていくためには、長期計画の中でしっかりと軌道系アクセスを考えていくべきだと思っております。  ぜひ、そのことも踏まえながら、広島空港の活性化に御尽力いただければと思います。この件についてもこれで終わらせていただきます。  それでは、最後の質問に入ります。公共土木施設の維持管理についてお伺いいたします。  公共土木施設の保全については、施設が壊れてしまう前に補修するほうが修繕が容易であり、当然、経費を安価に済ませることができると考えております。そして、そうすることによって重大な事故の発生も未然に防止することができます。  そういった意味で、公共土木施設をしっかりと維持管理していくことが重要であり、その考え方についてどのように取り組んでいるのか、土木建築局長にお伺いしたいと思います。 38: ◯答弁(土木建築局長) 今後、多くの公共土木施設の老朽化が懸念されていることから、本年3月に改定いたしました社会資本未来プランにおいて、社会資本ストックの適正な維持管理をマネジメント方針の柱に位置づけて取り組んでいるところでございます。  公共土木施設の維持管理に当たりましては、ライフサイクルコストの縮減や利用者の安全確保のために、アセットマネジメントを活用した予防保全型の維持管理手法が有効であると認識いたしております。  これを踏まえまして、インフラ老朽化対策の中長期的な枠組みに基づいて、個々の施設を適切に修繕するため、具体的な点検方法、健全度評価、対策の優先順位などを定めた修繕方針を、橋梁・トンネルなどの施設ごとに策定し、適切な維持管理に取り組んでいるところでございます。  引き続き、公共土木施設の計画的かつ戦略的な維持管理に取り組み、コスト縮減や県民の安全・安心の確保に努めてまいります。 39: ◯要望(西本委員) 社会インフラを整えるという意味では、公共土木は大きな役割を果たしていると思います。ただ、膨大な費用を使う部門でもあります。そして、その使い方とか工期を含めてしっかり検討することが、この社会に役立っていくことだと思っております。  そういう意味では、御答弁いただきましたように、保全という考え方をしっかりとサイクルに乗せられるようにしていただいて、費用対効果をしっかりと考えながら進めていただきたいということをお願いしたいと思います。  以上で今回の決算に対する質問を終わらせていただきます。この決算がしっかりと反映され、予算がよりよいものになるように心からお願いいたしまして質問を終わります。 40: ◯質疑(尾熊委員) 公明党の尾熊良一でございます。早速、質問に入らせていただきます。  最初に、小学校の「山・海・島」体験活動ひろしま全県展開プロジェクトの事業継続について伺います。  小学校5年生を対象としたこの体験活動は、親元を離れて子供たちが農家や施設に宿泊しながら、田舎暮らしと農業などの体験を通じて大きな学習効果を得られるものであり、この活動を県内全ての子供たちが体験できるよう私は期待してきた一人であります。  私も、北広島町で実際に見学させてもらいましたが、子供たちは自然や田舎の魅力を体験するだけでなく、地元の人と触れ合う中で、人の思いやりとぬくもりの大切さを感じ、自然と向き合って働く人の仕事に触れることで、農作物をつくる大変さを知ること、そして食べ物を大切にする気持ちが生まれていました。  また、友達と協力することの大切さやコミュニケーション力を高めるなど、教室の中では味わえない体験と感動を得ることは、大変学習効果の大きい事業であると評価するところであります。  そのような中、この事業では、県内小学校への全校展開を図り、広島市以外の市町は今年度でほぼ100%実施できているのに対し、広島市だけ30%台と、実施率が非常に低くなっています。  平成29年度から教育に係る人事、財源などを全面的に広島市に権限移譲する中で、広島市内の小学校におけるこの体験学習の展開について、県としてどのように働きかけ、支援されるのか、教育長にお伺いします。 41: ◯答弁教育長) 平成28年度の広島市の3泊4日の長期集団宿泊活動の実施校数は42校、実施率は約32%であり、他市町と比べると低調であると認識しております。  教育委員会といたしましては、これまで広島市教育委員会や広島市小学校長会に直接出向くなど、さまざまな機会を捉えて本プロジェクトの意義や効果について説明するなど、実施校数の増加に向けて、再三にわたり働きかけてきたところでございます。  今後も、引き続き広島市教育委員会へ働きかけるとともに、広島市小学校長会へも直接出向くなど、3泊4日の長期集団宿泊活動の実施校数の増加に向けて、その意義や効果についての理解が得られるよう、さまざまな機会を活用して粘り強く取り組んでまいります。 42: ◯要望・質疑(尾熊委員) しっかり粘り強く説得をお願いしたいと思います。  一方で、県内全小学校への展開を目標に4年間続けてきたこの事業は、今年度で終了し、1泊分の補助がなくなると聞いています。  北広島町や三次市では、既に受け入れ学校に対し、片道のバス代の補助を行っていると聞いておりますし、今後は市町が1泊分の補助をする、もしくは保護者に負担増をお願いすることになります。  今までこの体験学習が高い効果を発揮するには3泊4日が必要であるとして、県が1日延泊分の補助をすることで、あえて長期体験学習を進めてきたわけですが、それがなくなると、これまで100%実施してきた市町でも、今後、実施校が大きく減る可能性があります。事実、保護者負担がふえると、3泊4日の実施継続は難しくなるとの学校側の声も聞いております。  そこで、これまで県主導で実施校の全県展開を推進する中、この事業に積極的に参加・実施してきた学校に対して、県は今後どのように支援や対応されるのか、教育長にお伺いします。 43: ◯答弁教育長) 県教育委員会では、長期集団宿泊活動の全県的な継続実施に向けまして、平成26年度から市町教育委員会の担当者を対象とした連絡協議会を開催し、効果的な実施方法及び学校への支援について協議するとともに、平成29年度以降の市町教育委員会主体の実施に向けた環境整備についても協議してまいりました。  また、保護者負担を軽減するための一つの方法といたしまして、県教育委員会では、国立施設等への働きかけを行い、一定のエリアについてはバスを無料で派遣するなど、保護者の負担軽減措置が実現したところでございます。  教育委員会といたしましては、引き続き3泊4日の体験活動に係る教職員の引率旅費を確保するとともに、効果的な体験活動の実施に係る教員研修の充実を初め、実践発表会や連絡協議会の開催など、継続実施に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。 44: ◯要望・質疑(尾熊委員) しっかりと継続していくということですけれども、特に保護者負担や学校側の負担という部分で、やはり軽減できるような対策が必要ではないかと思います。  この体験学習を受け入れている市町では、神楽や祭りなどその地域の歴史や文化を知ってもらう企画を立てて、民泊先農家をふやすために説明会も実施されております。また、森林組合に協力を得て、子供たちが山に入り、杉の木を手のこで間伐する林業体験を通し、将来山にかかわる仕事を希望する子が出てくればと、体験メニューの拡大・工夫の努力を続けられております。  また、子供たちの中には、農家の方にまた会いたいと、家族と一緒に再度訪れることで観光客の増加にもつながっていると、市町の担当者からもこの事業に対する評価と期待の声を伺っております。  この受け入れ市町に対し、体験学習が継続できるような財政的支援について、地域政策局や農林水産局、また商工労働局でも検討していただくことを要望し、次の質問に移ります。  次に、働き方改革の推進の取り組みについて伺います。  昨年末に、大手広告代理店の女性新人社員が過労自殺し大きな波紋を呼びましたが、長時間労働やいわゆるブラック企業の残業代不支給の問題など、働く場ではさまざまな課題が存在します。  また、今後、生産年齢人口が減少する中で、多様な働き方ができる職場環境をつくり、女性や高齢者など、多様な人材の活躍を推進していくことがより一層求められます。  このため、これまでの働き方を見直し、生産性の向上を図りながら働きやすい職場環境づくりを進める働き方改革や女性活躍推進について、国を挙げて取り組まれているところでございます。  こうした中、広島県においても、知事が全国初のイクボス宣言を行い、管理職のイクボス化の推進、女性職員の活躍推進や男性職員の育児参画の推進、朝型勤務やどこでもワークなど新たな職場環境づくりの取り組みで、県庁から働き方改革を進め、魅力ある職場や働きやすい職場環境の確保に向けて挑戦されていることは評価したいと思います。  そして、県庁から働き方改革を積極的に推進し、成功事例をつくっていくことが県内企業に対する働き方改革の機運醸成につながるものと確信するところであります。  そこでまず、県庁内の働き方改革を進めてきたこれまでの取り組み状況から、男性職員の育児参加状況や育児休業取得状況、有給休暇取得状況、残業時間の変化などの取り組み成果について伺います。  そして、働き方改革を今後さらに推進していく上で、県庁における仕事の生産性向上に向けた取り組みについて、総務局長にお伺いします。 45: ◯答弁総務局長) これまで、県庁内におきましては働き方改革を進めるため、仕事も暮らしも充実できる職場環境づくりや生産性の向上に取り組んでまいりました。  その結果、男性職員の育児参加休暇の取得割合については、平成27年度は平成25年度の約3倍、男性職員の育児休業の取得率は、平成27年度は平成25年度の2倍以上に上昇してきております。  一方、職員の年次有給休暇や時間外勤務の状況につきましては、平均で見ますとここ2~3年間では大きく変化してきておりませんが、今年度からは新たな目標としまして、子育て中の男性職員の時間外勤務を年間280時間以内とすることなどを掲げまして、その達成に向け取り組んでいるところでございます。  また、生産性向上に向けた取り組みにつきましては、本庁管理職員を対象に、場所や状況にとらわれずに業務を遂行する「どこでもワーク」の導入や、多様な働き方を可能としますテレワークの促進など、ICTを活用したワークスタイルの変革を進めているところでございます。  今後は、どこでもワークの推進や、新たに導入予定のコミュニケーションツールを活用することによりまして、より一層生産性の高い働き方に向けた改革に取り組んでまいりたいと思います。 46: ◯要望・質疑(尾熊委員) 県庁におきましてもしっかりと生産性を向上させ、残業時間の削減に取り組んでいただきたいと思います。  イクボス宣言をされた警察本部長の働き方改革の取り組み、イクボス宣言をされていない教育長の取り組みについてお伺いする予定でしたが、時間の関係で省かせていただきますけれども、特に教育委員会につきましては、やはり生徒と向き合う時間をつくるということで、ぜひ教育委員会に、教職員の働き方改革を進めていただきたいと要望しておきます。
     それでは、次に、企業の中には、人手不足の問題、生産性向上の考え方や資金の問題、また勤務形態によっては女性の採用が難しいなど、業種・業界だけでなく、企業ごとに課題の違いがたくさんあります。  企業の働き方改革を進めるには、管理職や社員の意識改革が必要ですし、大きく仕事の仕組みを変えるためには、経営方針や勤務形態、組織体制まで変える必要性が出てくる場合もあり、特に、経営者の意識改革等トップダウンによる強いリーダーシップがなければ難しいと言われております。  そこで、企業の働き方改革の機運醸成を目指す中で、県として県内企業に対する支援にどのように取り組んでいくのか、商工労働局長に伺います。 47: ◯答弁(商工労働局長) 働き方改革につきましては、今年度実態調査を実施いたしました。その中で、これから取り組む県内企業が約3割に対しまして、共感はしているものの未着手が約4割、その中には働き方改革に取り組む必要性はないという企業なども見られたところでございます。  そうした中で、この実態調査を通じまして、働き方改革に取り組む上で、適正要員の確保の問題とか、管理職、従業員の方々の理解の不足、そして取り組み方法やノウハウの不足など、さまざまな課題があることが判明いたしました。  また、行政等による支援として期待するものといたしましては、そういった働き方改革の取り組みに対する情報提供、あるいは優良事例の紹介、研修会の開催など、幅広いニーズがあることもわかってきております。  さらに、今年度モデル的に企業コンサルティングの実証事業を行いました。その中では、経営者が社内推進者に寄り添いながら助言するということで、一定の有効性があることも確認できたところでございます。  今後は、こうした結果を踏まえながら、経済団体等と連携いたしました経営者への働きかけや優良事例の見える化などによります企業の取り組み促進、そして、企業が抱えますさまざまな課題やニーズに対応したきめ細やかな支援などを検討してまいりたいと考えております。 48: ◯要望・質疑(尾熊委員) やはり経営者、トップが大事だと思います。社員の工夫とかをトップがしっかりと現場から聞いて、具体的に改革を進めていくといった経営者の意識改革を、県としてもしっかりと応援していただきたいと思います。  県は、県民の仕事も暮らしも欲張りなライフスタイルの実現を目指していますが、働き方改革の推進は、そのための重要な要素であります。この実現に向け、働き方改革の推進にどのように取り組まれるのか、知事の決意と覚悟をお伺いします。 49: ◯答弁(知事) 育児や介護などの個人の置かれた状況やライフスタイルが多様化する中、県民の皆様の欲張りなライフスタイルを実現するためには、それぞれの働く場において長時間労働が削減され、多様な働き方が選択できるなど、誰もが働きやすい環境が整っていることが不可欠であり、働き方改革は全力で取り組むべき課題であると認識しております。  このため、今年度から局横断の働き方改革推進チームにおきまして、関連施策を総合的に推進するとともに、実態調査やコンサルティングの実証事業の結果を踏まえ、県内企業の働き方改革を促進するための実効性のある施策を検討していくこととしております。  また、10月に発足した働き方改革推進・働く女性応援会議ひろしまを構成する経済団体、労働団体、国、県、市町等が一丸となって働き方改革に向けた県内機運の醸成と企業の取り組みを促進してまいります。  こうした取り組みにより、希望する誰もが仕事と暮らしのどちらも諦めることなく追求することができる、「仕事でチャレンジ 暮らしをエンジョイ 活気あふれる広島県」を目指してまいります。 50: ◯要望・質疑(尾熊委員) ぜひ、県庁内においても、県内企業においても、この働き方改革を進めていただき、広島県から全国にこの働き方改革の成功事例を発信できるようにお願いしたいと思います。  それでは次に、仕事の創生や産業イノベーション創出の取り組みについて伺います。  産業競争力強化として、今まで県は、医療関連分野、いわゆる医工連携と、海外でのビジネス創出を目指す環境浄化分野の大きく2つのクラスター形成で広島県の産業振興を進めてきましたが、これから少子化がますます進み、労働人口減少社会の中で働き方改革を推進するためには、生産性向上に大きく貢献できるロボットの活用は、工場やさまざまな職場環境の中で必要不可欠であります。  さらに、人口知能のAIやIoT技術を活用した生産現場の産業ロボットだけでなく、医療介護分野でのリハビリや介護者の負担を軽減できるロボット、また、農業・災害現場における作業負担軽減やスピードアップ、作業効率の改善に大きく貢献できるさまざまなロボットの開発と活用が期待されており、これからロボット産業振興に注力することが、仕事の創出と産業イノベーション創出につながり、新たな雇用の拡大につながると考えます。  愛知県や福岡県、神奈川県、福島県など、他県でもさまざまなロボットの研究開発支援や販路拡大支援、実証実験支援、そしてロボット関連企業の誘致活動など、ロボット産業振興を重要な柱の事業として位置づけている県も多くあります。  そこで今後、広島県の自動車関連技術やものづくり技術を生かしたロボット産業振興を3本目の柱として行ってはどうかと考えますが、商工労働局長の考えをお伺いします。 51: ◯答弁(商工労働局長) 労働人口の減少が進んでいく中で企業が持続的に成長していくためには、生産・サービス現場へのロボット導入の果たす役割は重要であると考えております。  中小企業へのロボット導入に当たりましては、多種多様な生産現場の要望に沿った製品を安価に提供することが必要でございまして、現場で求められているニーズに適合した技術を安価に実現できる研究開発と、個々の現場に必要な技術を組み合わせる技術者の確保が課題となってまいります。  このため、県といたしましては、西部工業技術センターで開発いたしましたランダムピッキング技術に取り組みますとともに、企業における開発の初期段階から最終的な量産化までの切れ目ない資金的な支援策を講じるなど、ロボット産業を含めました県内企業の新技術・新製品の開発を支援しているところでございます。  さらに、イノベーション人材等育成事業などによりまして、システムインテグレーター等の育成・確保に向けた支援も行っているところでございます。  こうした取り組みによりまして、県内でのロボット関連産業の発展と、ロボット導入を通じた県内中小企業のさらなる成長を図ってまいりたいと考えております。 52: ◯要望(尾熊委員) ロボット産業振興についても、雇用の確保のためにしっかりと取り組んでいただきたいと要望しておきます。  それでは、ちょっと時間がなくなりましたけれども、学校における防災教育に関係して、最後に要望させていただきます。  多くの児童や教職員の犠牲者が出た大川小学校の津波災害で、学校側の責任に対する判決が先日下され、昼間、子供たちの命を預かる学校や教職員の災害時の避難誘導方法や防災知識の有無など、避難場所や避難経路での学校側の対応責任が問われました。  けさも福島のほうで地震と津波が発生しているようでありますけれども、子供たちの命を守るためには、やはり、教職員の防災意識と防災知識の向上は、待ったなしの重要な事項でございます。  そのために提案でございますが、教育委員会でも積極的に県の防災アドバイザーや防災士の資格を持った教職員を育成してはどうかと考えます。教職員の中で、研修を受け資格を持った防災リーダーが中心となって、その学校の教職員や生徒の防災知識向上を推進することができると思います。  そしてまた、地域の自主防災組織とも連携して、学校の場所などの現状に合った災害を想定して、しっかりと防災知識を向上させ、防災訓練、防災教室を推進していただくことを要望し、私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。  休憩 午前11時50分  再開 午後1時 53: ◯質疑(大島委員) 自民議連の大島でございます。早速質問に入らせていただきます。  最初に、都市圏の中枢拠点性をどのようにして上げていくのかというインフラの面での質問に入らせていただきます。  まず、高速5号線でありますけれども、都市圏の中枢拠点の向上には、都市機能を高めるための都市内高速道路網の整備は、非常に重要であると考えています。  現在、広島高速道路の整備は1号~4号線までが既に開通し、残る整備計画は5号線のみとなっております。この5号線には二葉山トンネルの建設が予定されており、このトンネルの全長は1,800mのため、もしトンネル内で車両事故による火災などが発生した場合、トンネルの出口に向けての避難ができない場合もあることを想定して、トンネル中央付近に直上に抜ける階段を避難経路として設けると聞いております。  交通事故は減少傾向にある中、高齢者による事故はふえている現状に鑑み、この直上に抜ける階段を使っての避難は、トンネルの出入り口付近の事故発生を想定すると、1,000m近くの距離を移動することになり、さらに、避難経路も30mほど上る構造になると聞いており、幼児や子供、高齢者、さらには車椅子を使われている方などの不自由な方々が、早急に避難するのは非常に難しいと考えます。  事故の発生頻度は低いと考えられますが、一旦起きれば、広島の中枢拠点を支えるインフラの問題は大きく、大惨事になったら大変なことになるわけでありまして、先般の山陽自動車道八本松トンネルでは、皆さん御存じのように大変な死傷者を出した多重衝突が実際に発生しており、二葉山トンネルにおいても、このようなトンネル事故を想定した安全対策が不可欠であると考えます。  県民を初め、広島を訪れるたくさんの方々の安全・安心の確保の観点からも、トンネル内で事故が発生した際、高齢者などが安全に避難できる対策が必要不可欠であると考えます。  二葉山トンネルの安全対策についてどのように考えられるか、土木建築局長に見解を伺います。 54: ◯答弁(土木建築局長) 広島高速5号線トンネルの安全性を確保するための非常用施設につきましては、広島高速道路公社において、国土交通省が定める道路トンネル非常用施設設置基準に基づき、トンネル内に押しボタン式通報装置や非常警報装置などの通報警報設備、消火器・消火栓及び誘導表示板を設置することとしております。  また、避難通路につきましては、この基準において、必要に応じて設置することとなっており、設置が義務づけられているものではございませんが、より安全性を高めるために、トンネルの中央付近で地表面までの避難経路が短い位置に、避難口を1カ所設置する計画としております。  設置される避難口につきましては、二重扉を設置し煙の侵入を防ぐなどの対策を行うことで、避難口内に安全な空間を確保し、高齢者など避難することが難しい方におきましても、安全に救助を待つための空間として使用していただけるものと考えており、今後、より安全かつ速やかな避難につながるよう、関係機関等の意見も踏まえながら詳細設計を進めることとしております。  さらに、トンネル開通前には防災訓練を実施するなど、利用者にとってこのトンネルがより安全なものとなるよう、引き続き対策を講じていくこととしております。 55: ◯要望・質疑(大島委員) 10階建てのビルを皆さんで直上に上がって早く逃げてくださいというのは非現実的でもありますし、この5号線というのは、空港へのアクセス道路であり、広島県の安全対策の代表例みたいになる話ですから、今後、安全を最重視して検討していただきたいと要望しておきます。  次に、広島都市圏の中枢拠点の向上のためには、都市圏への国内外からの人の流れをつくり出すことが重要であり、そのために交通アクセス改善はもちろんのこと、広島都市圏自体の魅力向上を図り、求心力を高めることは欠かせないものであります。  そうした中で、広島都市圏の交通網については、高速5号線の開通により高速2号線、3号線を経由して広島空港、広島駅、広島港が結ばれることになり、加えて、広島駅南口広場の再編整備により、平成30年代半ばには広島電鉄の路面電車が高架で広島駅に乗り入れる予定とされており、路面電車により、この3カ所のアクセスが補強されることになっています。  ちなみに、都市の発展の原点は、空港、港湾、駅が三角ベルトでつながってお互いに相乗効果を上げていくことで、都市圏の中枢性の向上には必須であります。  これにより、広島空港、広島駅、広島港という3つの交通拠点をつなげて活用することで、例えば、原爆ドームから宮島へ、そして錦帯橋へ行った後に広島市街地へ戻り1泊するといった観光ルートも可能になり、宿泊客も増加するなど、都市圏魅力創造事業の目的とされております。  まさに、広島市を中心とする広島都市圏において、内外の多様な人材を引きつける魅力と、活力ある地域環境の創出につながるものであると考えており、私はこの機会が広島都市圏の中枢拠点性の向上を図る絶好のチャンスだと考えております。  広島市との連携のもとで、都市圏魅力創造事業として、広島市を中心とする広島都市圏の魅力と活力ある地域環境の創出を目的として、さまざまな取り組みをされてきたところでありますが、こうした駅、港、空港を結ぶ交通機能の改善は、都市の魅力と活力ある地域の環境の創出に大きく貢献するものであり、交通網の活用による広島都市圏の魅力向上に、いま一度本気で取り組むべきと考えております。  そこで、都市圏魅力創造事業のこれまでの成果と、交通アクセスの改善を見据えた今後の取り組み、さらにこの事業を進めていくに当たり、広島市とどのような連携を図るのか、あわせて知事の見解をお伺いいたします。 56: ◯答弁(知事) 本県が厳しい地域間競争に打ち勝ち発展していくためには、人口、産業都市基盤など、あらゆる面で県内最大の集積地である広島都市圏の中枢拠点性をさらに向上させていく必要があると考えております。  現在、広島都市圏におきましては、路面電車の進入ルートを含む広島駅南口広場の再整備や高速5号線の整備など、交通ネットワークの充実強化に向けた取り組みが進められているところであり、こうした交通基盤も活用しながら、国内外の人や企業を引きつける魅力を創出していくことが重要であると認識しております。  このため、都市圏魅力創造事業につきましては、広島市と連携して、都心活性化プランの策定、広島駅周辺地区におけるエリアマネジメントの推進、美しい川づくりなど、紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺地区を東西の核とする広島市都心部の拠点性向上に取り組んでおり、既に広島駅周辺地区において、護岸の改修や河川環境の改善など、魅力的な水辺空間の整備等を実施しているところでございます。  また、都心活性化プランにつきましては、今年度末の策定を目指し、現在、有識者やまちづくりの関係者等からも御意見をお伺いしながら、おおむね30年後を見据え、広島市都心部の目指すべき姿や取り組みの方向性について、広島市とともに検討を行っているところであり、その内容も踏まえ、さらなる取り組みを進めてまいりたいと考えております。  これらの取り組みを進めるに当たりましては、広域自治体である県とまちづくりの主体である広島市が連携して実施していくことが不可欠であり、引き続き、密に意見・情報を交換し、役割分担も適切に行いながら、ともに魅力ある広島都市圏の形成を目指してまいりたいと考えております。 57: ◯要望・質疑(大島委員) まさに大事なことであります。今回広島カープが優勝したときも、市内ばかりでなく周辺の人がいっぱい来て応援したわけでありますから、そういう流れを市とよく協議して、新しい中枢拠点性の向上につなげていただきたいと要望しておきます。  次に、幼児教育のあり方についてお伺いいたします。  幼児教育は人格の基礎を培うものであり、また、高い教育効果があらわれるとされているものでもあり、本県の将来を担う人づくりという観点からも極めて重要であると考えております。  現在の幼児教育は、幼稚園、保育所、認定こども園といった場で実施されており、また、その所管行政庁も厚生労働省、文部科学省、内閣府と分かれ、さらに、設立主体も私立、公立、国立と分かれ、幼児教育に対する考え方や、教育内容もさまざまであります。  こうした環境の中で教育を受けた幼児が、小学校に一くくりで入学するわけでありまして、こうした状況は、幼児教育を受ける場によって格差が生じ、その後の小学校以降の教育にも大きな影響が生じるものと考えられます。  こうしたことから、全ての基本となる幼児教育を行っていく上で、教育を受ける場によって格差の生じない統一的な教育理念や、それに基づく教育の実施が必要不可欠であると考えられます。  本県では、幼児教育環境充実プロジェクト事業として調査研究を実施され、現在、幼児教育アクション・プランの策定を予定されているところでありますが、教育環境にかかわらず幼児が質の高い教育を受けることができるようにするために、県としてどのような教育理念を持ち、今後、幼児教育の質の充実に向けて取り組まれるのか、教育長にお伺いいたします。 58: ◯答弁教育長) 乳幼児期における教育・保育は、生涯にわたる人格形成の基礎及び小学校以降の教育の基盤を培う重要なものであると認識いたしております。  こうしたことから本県では、目指す乳幼児の姿を、「遊び 学び 育つひろしまっ子」として、家庭、幼稚園、保育所、認定こども園等の養育環境にかかわらず、県内全ての乳幼児に質の高い教育・保育が行われ、その後の教育の基礎が培われるよう、幼児教育のアクションプランを策定し、総合的・計画的に推進することとしております。  このプランの策定に当たりましては、幼児教育にかかわるさまざまな分野の有識者や関係機関の代表者などから意見を聴取しておりまして、プラン策定後は、家庭、地域、園・所等、小学校、行政などの機関が連携し、オール広島県で乳幼児期の教育・保育の質の確保に向けたさまざまな施策に取り組んでいくこととしております。 59: ◯要望(大島委員) この幼児教育の基本はすごく大事でございまして、三つ子の魂百までと昔よく言ったものでありますけれども、これらの中で、認定こども園の数が圧倒的に多いのです。全国ベースで見て4,001カ所もある中で、3,298カ所が私立であり、公立は703カ所であります。その中で幼保連携型が2,785カ所あり、幼稚園型が682カ所、保育所型が474カ所、地方裁量型が60カ所であり、認定こども園でお子さんを預かり、幼児教育を行っています。  そうであるならば、やはり縦割り行政にはなっておりますけれども、子供としての基本を大事にして、みんなで広島を昔の教育県広島に戻そうではないかということも必要だと思いますので、これは要望にかえさせてもらいますけれども、ぜひ、この小学校に入るまでの教育というのはすごく大事でございますので、要望して質問を終わります。  次に、土砂災害対策事業についてであります。  本県の土砂災害発生件数は、平成8年から平成27年の間に856件発生しており、全国8位の発生件数となっております。  土砂災害の危険箇所数は3万1,987カ所となって、これは全国1位であります。こうした状況の中で、土砂災害危険箇所などのうち、県が土砂災害警戒区域に認定したエリアは、平成28年11月時点で52.7%の1万6,866カ所です。  このたび、平成30年度までに調査をして、新たに平成31年度には指定を完了するということでありますけれども、実際、広島市の中区、東区、南区、安芸区の4区と大崎上島町など6町においては、指定がゼロであります。  警戒区域を指定するための基礎調査を終え、平成31年度までに指定を受けるとしても、その中に、午前にも意見が出ておりましたけれども、急傾斜の崩壊対策箇所が結構たくさんある。それぞれ個別で急傾斜は急傾斜、土砂災害は土砂災害の指定でやるのではなく、連携して、土砂災害警戒区域の指定地内にある急傾斜については一緒にやっていく。広島市の場合は、県が補助金を出しても、全市まとめて区の中で決めていくものがあるので、どうしてもでこぼこができてくると思うのですけれども、安全・安心、防災・減災と言って知事も一生懸命頑張っておられる中で、こういう市の中心部の指定がほとんどゼロということになると、やはり、広島県は減災県といいながら実際は全然違うではないかというようなことにもなりかねないという問題もあります。  例えば東区だけで見ますと、土砂災害危険箇所が519カ所に対して指定はゼロとなっており、対象設備の整備が行われてない箇所も多くあるということです。  土砂災害警戒区域は、とにかくここは危ないと言うのではなくて、急傾斜も所管が違うにしても、そこの中にある急傾斜対策は優先してやっていくことが大事だと思います。その点について、優先順位を定めて、ぜひ、急傾斜対策を早急に講じてほしいと思います。  時間が来ましたので、これは要望にかえさせていただきますけれども、事が起きた時では間に合いませんから、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。 60: ◯質疑(桑木委員) 民主県政会の桑木良典でございます。平成27年度決算特別委員会総括審査に当たり、本日は、平成27年度に実施した部局をまたぐ施策の中から、広島県の将来を担う子供たちの健やかな成長と安全を確保していく事業の成果と課題について何点かお伺いしますので、よろしくお願いいたします。  まずは、子供や若者が安心してインターネットを利用できる環境を構築する事業として実施した、平成27年度のスマートフォン体験講座等の実施状況と成果についてお伺いいたします。  パソコンやスマートフォンの急速な普及により、もはやインターネットは私たちの生活とは切り離せないものになっております。簡単な操作で膨大な情報を得ることができ、大変便利なものですが、使い方によっては、出会い系やオークションなどのサイトを利用したことでトラブルに巻き込まれたり、課金式のゲームなどにより多額の代金を請求される事件が社会問題化する中で、その適切な利用方法の周知と、トラブルから子供を守る取り組みについて、私もこれまで機会を捉えて質問してまいりました。子供たちにインターネットのメリットと危険性について、ネット環境に接する初期の段階で、家庭や学校においてしっかりと教えていくことが重要であると考えています。  本県でも、第2次広島県子ども・若者計画の取り組みとして位置づけ、教育委員会や県警、環境県民局がさまざまな事業に取り組んでいただいております。  平成27年度においても、平成27年度主要施策の成果に関する説明書の54ページに子供・若者が安全・安心にインターネットを利用できる環境の構築に向けた取り組みを推進するとあり、平成27年度は事業達成という評価がされています。ここにいう事業の達成というのは、講習会や啓発活動を予定どおり実施できたという理解でよいのでしょうか。第2次広島県子ども・若者計画で実施することとしているスマートフォン体験講座等の実施回数や参加者がどの程度あり、どのような成果があったと検証しておられるのか、環境県民局長にお伺いいたします。 61: ◯答弁(環境県民局長) 子供や若者が安全・安心にインターネットを利用できる環境の構築につきましては、教育委員会、県警察と連携して平成27年度に予定していた事業を全て実施したということで、達成という評価をしたところでございます。  主な事業の具体的な実施状況としましては、まず、講習会等の実施について、主に小学校高学年から高校生までの児童生徒やその保護者を対象に、サイバー防犯ボランティアの協力を得るなどしてサイバー犯罪被害防止教室などを651回実施し、参加者は約9万人となっております。  そのほか、近年の利用の低年齢化を背景に、小学校低学年や未就学児とその保護者を対象として、有害情報から子供を守る体験講座も実施したところでございます。  また、家庭でのルールづくりとフィルタリングの利用促進につきましては、中学校への進学を機にスマートフォンに触れる機会がふえることから、県内の全ての中学校において、家庭で話し合う際の必要項目や手法、フィルタリングの効果や設定方法などを保護者に伝える活動を実施しております。  こうしたさまざまな取り組みを年間を通して実施することにより、県内の全ての対象に的確なアプローチができるよう、関係機関と連携して事業を推進しているところでございます。 62: ◯質疑(桑木委員) 先ほど御答弁いただきました研修や啓発活動の効果につきましては、学校で子供に指導する際に少しずつ子供たちの間でもあらわれてきているのではないかと思います。  スマートフォンについては、高校生の所持率が約90%を超えている中、そのルールづくりが大変重要な課題であります。  そこで、平成27年度は学校においてどのような指導を行い、子供たちの安全なインターネットの活用の仕方への理解度はどの程度進んでいると教育長は認識しておられるのか、お伺いいたします。 63: ◯答弁教育長) 学校におきましては、児童生徒をネット上のいじめやインターネット上の違法有害情報から守るため、全ての生徒が履修する教科である情報におきまして、実践的な能力や態度が身につく内容を取り入れた指導を行いますとともに、総合的な学習の時間やロングホームルームなどにおきまして、広島県警察本部のサイバー犯罪担当者による犯罪防止教室や携帯電話会社の担当者を招いた携帯安全教室などを実施しているところでございます。  こうした取り組みなどによりまして、平成27年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査におきましては、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされるといったいじめが、前年度に比べて中学校、高等学校ともに減少しており、インターネットの安全な利用に対する児童生徒の理解は一定程度進んでいるものと認識いたしております。  現代社会におきましては、情報技術が急速に進展しており、また、インターネットに係る問題もますます多様化・複雑化していることから、引き続き、これらに対処できるよう指導の充実を図る必要があると考えているところでございます。 64: ◯質疑(桑木委員) これまで、行政機関や学校、PTAでの取り組みによりまして、インターネットの安全な活用法について、以前より理解が進んでいると私も思っておりますが、新たなサイトや悪質・悪徳業者の巧妙な手口、また友人間のトラブルやいじめの原因になるような課題は、残念ながら完全には排除できず、これからも続いていくものと考えております。  子供たちがインターネットを使いこなす速度に大人がついていけず、子供が何か危険な使い方をしていたとしても、なかなかそれに気づかないという現状があります。親と子が一緒に学び課題を共有する機会を提供することが、子供や若者が安心してインターネットを利用する環境の構築に必要な取り組みであると考えていますが、今後どのように取り組んでいくのか、環境県民局長にお伺いいたします。 65: ◯答弁(環境県民局長) 小学校から高等学校までの青少年のインターネットの利用状況につきましては、平成27年度の内閣府の調査によれば、約80%の青少年がインターネットを利用しており、そのうち約70%の保護者が子供のインターネット利用状況を把握していないという実態が明らかになっております。  また、インターネット利用に関する家庭でのルールづくりについては、約80%の保護者がルールを決めていると回答したのに対し、青少年では約60%と、親子の認識に20%程度のギャップがあるとの結果も出ており、親と子がインターネットに関する知識等を共有する上で、こうした状況が課題であると考えております。  このため、県といたしましても、今年度中に、県内の保護者と子供を対象とした利用実態調査を実施することとしており、その結果等も踏まえ、より効果的な取り組み内容について検討してまいりたいと考えております。 66: ◯要望・質疑(桑木委員) ネット環境が日常生活に定着するほどその危機意識は希薄になってくる傾向があると思いますので、定期的な注意喚起が必要です。
     保護者の間には研修などの機会の提供を求める声が多くあり、継続的に講座等を開催していただき、課題を共有する取り組みが重要であると考えております。引き続きの取り組みをお願いし、次の質問に移ります。  次は、広島県らしい子育て環境の整備の促進、ファミリーサポート利用促進事業について、2点お伺いいたします。  まずは、事業の実施状況と課題についてお伺いします。  社会の変化に伴い、核家族化が進み子育て家庭の環境が多様化する中、保護者が子供を一時的にサポートセンターに預かってもらうことで、おじいちゃんおばあちゃんや親戚にかわって子供を預かる事業、いわゆる3世代世帯のメリットを補完するファミリーサポート支援事業を実施している市町に対し、モデル市町において、その利用促進を図り効果を検証する事業を行いましたが、当初予算300万円に対し、執行額が20万円程度にとどまっています。  そもそも、18市町で実施されているこの事業の利用状況は、平成26年度までどのような状況だったのでしょうか。利用者への事業の周知が十分でなかったなどの理由があると思いますが、その原因をどのように分析しておられるのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 67: ◯答弁(健康福祉局長) 平成26年度でございますが、前年度に比べ、援助を希望する会員、援助を提供する会員ともに若干伸びたものの、活動実績が前年度から1,400件減少し、約2万5,000件でございました。  その要因につきましては、平成26年度に県が実施した調査によりますと、「ファミリーサポートセンターを知っており利用している」が7%であったのに対し、「ファミリーサポートセンターを知っているが利用していない」が67.4%でございました。  利用しない理由につきましては、必要ない方を除きまして、「個人の家庭に預けることが不安」、「利用料金が高い」といった回答が多くあり、こうした要因が事業の利用促進に結びついていないものと考えております。 68: ◯質疑(桑木委員) 先ほど答弁いただきました平成27年度の課題を受けまして、平成28年度においてはどのように改善され、現在の取り組み状況はどのようになっているのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 69: ◯答弁(健康福祉局長) 平成27年度に実施したファミリーサポート利用促進事業は、市町においてセンターの利用促進に効果のある手法を検証することを目的とし、当初、3市町程度の活用を見込み予算化しましたが、1市での実施にとどまったところでございます。  このため、当初見込んだ効果検証を十分に行えなかったところでございますが、市町会議を開催し、県事業を実施した市の実績や市町ごとの課題と対応策について情報共有を図ったところでございます。  具体的には、県事業の実施市では、期間限定で無料利用できる取り組みを行ったところ、その後の利用継続につながった状況が見られ、援助を希望する会員を増加させる取り組みとして有効との報告がございました。  また、援助を行う会員を増加させる取り組みとして、プラチナ世代を対象としたリーフレットの作成や研修会を開催していることなどについて、報告と意見交換が行われました。  こうした取り組みを通じ、各市町において、利用料の補助や研修会の開催、効果的な広報などに取り組んでいるところであり、県といたしましても、ファミリーサポートセンター事業の普及促進を図り、地域全体で子育てを応援する環境づくりに努めてまいります。 70: ◯要望・質疑(桑木委員) この事業の平成27年度の成果目標は、市町の登録会員数を前年度比10%増に定めていましたけれども、実績は前年度比0.1%減になり目標には届いていませんが、先ほど利用状況の話があったように、一定の会員の確保はできたとも言えると思います。先ほど、今後に向けての取り組みを御答弁いただきましたが、現在登録されている提供会員の方にこれからも協力していただきながら、さらにここをふやしていくことが大切だと思います。  これまでの取り組みで基礎が固まりつつあると感じている一方、預けたい方のニーズに対して、預かってくださる方の登録数がまだまだ少ないと思っております。提供会員をどのようにふやしていくのか、預けたい方のニーズに柔軟に対応できる体制を構築してこの事業が子育て家庭への支援として定着し、しっかり効果を上げていくよう引き続き県としての取り組みをお願いして、次の質問に移ります。  次は、子供の通学路の安全対策についてお伺いします。  まずは、交通安全施設の整備状況についてお伺いします。通学帰宅途中などに子供が巻き込まれる交通事故が全国各地で多発し、大変憂慮しています。各地域では交通指導員の方やPTAなどが交通安全運動などを実施し、子供たちの安全を守る取り組みを行っています。  平成27年版広島の交通統計に記載されている子供の事故発生状況によると、中学生以下の子供の平成27年の事故の発生状況は448件、うち負傷者は948名、死者3名となっています。平成26年と比較すると、件数、負傷者ともに約8%減少していますが、死者3名は変わっていません。高校生においては、平成27年は発生件数335件、負傷者397名、死者はゼロとなっています。平成26年に比べると、件数・負傷者ともに、約18%減少、死者はゼロでした。  学校や地域での安全指導などにより、事故や負傷者が近年減少していることは評価できますが、それでも、1,300人を超える子供たちが交通事故に遭っており、幼い時期に受ける事故によるダメージは心や体に大きな傷を残すことにもなりかねず、1件でも交通事故を減らし、子供を守る取り組みも推進していかなければなりません。  そこで、平成27年度に各市町や教育委員会から県に対し、通学路や学校周辺の交通安全対策に必要な整備要望が上がってきている案件は何件あって、進捗状況はどのようになっているのか、土木建築局長にお伺いいたします。 71: ◯答弁(土木建築局長) 通学路における交通安全対策につきましては、平成25年度から、各市町におきまして、教育委員会、学校、PTA、警察、道路管理者等により推進体制を構築し、通学路交通安全プログラムの策定に取り組んできたところでございます。  また、通学路の安全性向上のためには、プログラムの継続的な見直しが必要であり、合同点検等の実施により、平成27年度には新たに66カ所が、道路管理者である県による対策が必要な箇所として追加されたところでございます。  これまでに対策が必要とされた箇所数は合わせて375カ所あり、平成27年度末までに、このうちの約53%に当たる197カ所について、既に整備が完了いたしております。  今後も引き続き、残る箇所の整備を促進するとともに、関係機関と調整しながら、着実かつ効果的な交通安全施設の整備に取り組んでまいります。 72: ◯要望(桑木委員) 現在、進捗率が53%、約半分ということでございます。  なかなか箇所数もあって、現場の状況などで直ちに着手することが難しい箇所もあるかと思いますけれども、抜本的な改修が困難な箇所であってもガードレール等の簡易な修繕で効果を発揮できる箇所もあると思います。事故が起きてから、以前から要望していたという声がないよう、できる限り早期の事業着工をお願いいたします。  最後の質問は、時間の関係で要望にさせていただきたいと思います。  先ほど申し上げました事故と負傷者の発生状況をもう少し詳しく申し上げますと、自転車が関係する事故が大半であります。中学生以下が約56%、高校生においては約84%となっており、そのうち法令違反が事故に起因した割合が52.7%となっています。  また、高校生の自転車事故283件のうち、道路の形状別発生状況を見ると、信号機がある場所が66件に対し、信号機がない場所では149件と倍以上になっています。通学路での交通事故から子供を守るためには、通学路や学校周辺の交通安全に必要な整備に加え、事故発生原因の多くを占める自転車の安全運転指導等や注意喚起をさらに向上させていく取り組みも、あわせて必要であると考えております。  今後も各局が連携して、子供たちが健やかに成長する環境づくりに向けて精力的に取り組み、しっかりと成果を上げていただくことを要請し、質問を終わります。 73: ◯質疑(山下委員) 自民議連の山下でございます。早速質問に入りたいと思います。  障害者・高齢者を支える支援について、まず、あいサポート運動について何点かお伺いしたいと思います。  広島県では、平成23年10月からあいサポート運動を展開しています。これは、さまざまな障害の特性や必要な配慮を理解し、日常生活でちょっとした手助けを実践していくあいサポーターの活動を通じて、誰もが暮らしやすい地域社会を一緒につくる運動であります。この運動は、平成21年11月に鳥取県でスタートし、現在では、広島県を初め多くの自治体が鳥取県と連携し、あいサポート運動を展開しており、運動に参加している地方自治体全体では、ことし5月末で、あいサポーターが30万人を突破したところであります。広島県においても、学校や企業への出前講座や人材養成研修など、さまざまな取り組みを実践することにより、この運動が着実に浸透し始めていると感じております。  さて、ことしの8月、東京の地下鉄において、盲導犬を連れた視覚障害者の男性がホームに転落し、死亡するという痛ましい事故が発生しました。また、10月にも、大阪において同様の転落事故が発生しています。  事故防止対策として、ホームドアなどハード整備も確かに必要だと思いますが、周辺の人々が「危ないですよ」と声をかけたら事故は防止できたのではないかと考えます。広島県では、平成27年度にあいサポーターを14万7,000人まで増加させており、私は一定の評価をしていますが、こういった事故が二度と発生しないためにも、あいサポーターをさらに増加させ、障害者を積極的に支援する取り組みを進めていく必要があると考えています。  そこで、あいサポーターを着実に増加させるために、今後どう取り組んでいくのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 74: ◯答弁(健康福祉局長) 本県では、障害者団体等の協力を得て、あいサポート研修を希望する県民、企業、団体、学校等に対し、障害についての理解・配慮や、実体験等を内容とした出前講座を実施しており、本年10月末で約16万5,000人のあいサポーターを養成したところでございます。  また、平成26年度からは、市町・地域や企業・団体において、あいサポート研修の講師役や、あいサポーターを牽引する役割を担うあいサポートリーダーの養成にも取り組んでおり、本年10月末で293名を養成しております。  さらに今年度から、これまで養成したあいサポートリーダーを対象として、企業団体等と協働して障害者を支える実践活動に取り組むためのノウハウの提供や、リーダー相互のつながりを形成する活動促進研修を実施することといたしております。  このような重層的な研修を実施することにより、あいサポート運動の機運を醸成し、あいサポーターの量的拡大を図るとともに、あらゆる地域で障害者の日々の生活を手助けする実践的な行動が展開される、誰もが暮らしやすい共生社会の実現に努めてまいります。 75: ◯要望・質疑(山下委員) これを始めた鳥取県では、今、6万5,000人でありまして、広島県では16万人を超えたという話でありますが、鳥取県は人口が56万9,000人、広島県は288万人ということでありまして、ぜひ30万人ぐらいを目指してやっていただきたいと思います。  次に、先ほども話がありましたが、あいサポート運動に係る出前講座は、学校や企業、地域社会の勉強会などを訪問し、さまざまな障害の特性や手助けなどの方法など約90分間の研修を受講してもらう内容です。  実は私も先日この研修を受講し、障害のある方への接し方について学びましたが、より良質のサポートを行うためには、1回限りの出前講座ではなく定期的に受講してもらいスキルアップを図る必要があるのではと考えますが、健康福祉局長に御所見を伺います。 76: ◯答弁(健康福祉局長) 出前講座につきましては、受講希望者と研修内容をその都度調整するとともに、受講回数に制限を設けておらず、受講希望者の要望に応じた複数回の受講ができる研修体制としております。  また、スキルアップのための研修としては、地域等において、あいサポート研修の講師役等を担うあいサポートリーダー研修や、平成27年度からは、企業・団体において、あいサポート研修の講師役とともに職場の障害者への支援を行う就労支援リーダー研修、さらには、あいサポートリーダーを対象とした活動促進研修の体制としております。  今後とも、あいサポーターのスキルアップにつながる研修となるよう、研修方法や内容等の追加・見直しを行ってまいります。 77: ◯要望・質疑(山下委員) 平成24年10月には障害者虐待防止法が制定されましたし、平成25年6月には障害者差別解消法も制定されています。当初に始められた方は講習等を受けていないだろうと思いますので、ぜひ、新しく変わったことに関しては、しっかり講習していただきたいと思います。  次に、先ほど少し話がありましたあいサポートリーダー養成研修についてお伺いしたいと思います。  地域で障害者を支えるためには、企業などでのサポート研修の実施や、障害者の相談支援活動を行うあいサポートリーダーの役割は非常に重要であります。あいサポートリーダーを増加させ、あいサポート運動を展開していくためには、地域における推進役であるあいサポートリーダーの養成を積極的に行う必要があると思いますが、健康福祉局長の御所見をお伺いしたいと思います。 78: ◯答弁(健康福祉局長) あいサポートリーダー養成研修は、現在、県内2地域で各1回開催しており、ホームページへの掲載等により周知しております。  今後、より多くの希望者が研修に参加していただけるよう、市町、市町社協、あいサポート企業・団体と連携した周知の拡充を図るとともに、研修の開催地域や回数等についても検討してまいります。  また、あいサポートリーダーには、支援に関する高い知識に基づく実践力や地域活動を牽引するマネジメント力などが求められており、研修修了者へのアンケートや活動上の課題等も踏まえながら、より専門性を高められる研修内容となるよう取り組んでまいります。 79: ◯質疑(山下委員) しっかりよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、ことし、政務調査で訪れた熊本県では、認知症対策を県の重点施策として位置づけ、地域住民との協働による支援を充実させるため、小学校や警察などに出向き研修を行うなど、認知症サポーターを積極的に要請する取り組みを実施されておりました。  認知症サポーターとは、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族に対して温かい目で見守り、困っているときに声かけなどを行うサポーターのことであります。見守る、サポートするという視点では、先ほど質問いたしましたあいサポーターも、まさに目的は同じであります。障害者も年齢とともにやがて高齢者となり、また、高齢者も障害を生じる可能性もあると考えています。地域においても、民生委員・児童委員があいサポーターや認知症サポーターを兼務し活動されるケースもあると聞いています。  そこで、私は広島県のあいサポート運動について、障害者の支援だけではなく、高齢者の支援、特に認知症の支援を含めた広島独自の広島版あいサポート運動が展開できないかと考えておりますが、健康福祉局長に御所見をお伺いいたします。 80: ◯答弁(健康福祉局長) あいサポーター、認知症サポーターとも、その対象となる方々の特性等を研修において理解した上で、支援・見守りが行われており、それぞれの活動は少しずつ県民に浸透、定着しているところでございます。  これまで活動を続けてこられたサポーターには、障害者を支援したい方、高齢者を支援したい方など、さまざまな思いがあり、画一的に一体化することについては課題があると考えております。  しかしながら、両サポーターの活動の目的は、要支援者を見守る、サポートするという視点では同じであるため、障害者・高齢者を支援する効果的な地域活動が展開されるよう2つのサポーター研修を同時実施するなど、効果的な制度の運用について検討してまいります。 81: ◯要望・質疑(山下委員) 地域では、自主防災の組織や地域包括ケアのボランティアを、ほぼ同じ人がやっております。全てまとめて地域包括ボランティア組織みたいなものができたらいいと思いますので、要望しておきます。  次の質問に入ります。視覚と聴覚の両方に障害がある盲聾者という方がいらっしゃいます。盲聾者は、情報入手、コミュニケーション、移動など、さまざまな場面で大きな困難が生じ、社会から孤立してしまうことがあります。  先日、知事室で湯崎知事にも盲ろう者友の会の方とお会いしていただきましたけれども、こういった盲聾者の支援をする盲ろう者通訳・介助員派遣事業は、盲聾者のコミュニケーションや外出支援などに対し通訳・介助員を派遣するもので、社会参加促進や情報保障の強化に大きく寄与しているところであります。この事業は平成18年度から実施されており、平成28年度当初予算では、通訳・介助員の人件費など約1,200万円が予算計上されています。  しかしながら、盲聾者がこの派遣事業を利用するに当たり、通訳・介助員の派遣時間数が少ないことが問題となっています。全国的には、年間の利用時間の上限として、無制限、1,080時間、600時間、240時間など、地域によってばらつきがある状況です。広島県の派遣事業の場合、利用者1人につき年間240時間を上限値としており、1カ月に換算すると20時間、1日8時間で換算すると、たった2.5日間しか支援を受けることができません。盲聾者からは、支援時間が年間240時間では十分な活動ができないとの不満の声が出ているところであります。  そこで、全国的には活動時間を無制限としている地域もある中で、広島県の場合、なぜ上限が240時間に制限されているのか、その決定に当たっての経緯も含め、健康福祉局長にお伺いいたします。 82: ◯答弁(健康福祉局長) 本県におきましては、平成3年度に全国盲ろう者協会が社会福祉医療事業団から助成を受け、利用時間の上限を年間240時間として事業を実施したのが始まりであり、その後、国庫補助事業化され、広島市が同様の内容で平成16年度に事業を継承して実施しております。  県といたしましては、本事業を全県的に実施する必要があると考え、広島市の制度を参考とし、平成18年度に事業を開始しており、その後、広島盲ろう者友の会からの要望により、政令市・中核市を含めて全県制度として運用してきた経緯となっております。 83: ◯質疑(山下委員) 現行の240時間では十分な活動ができないと認識していますが、今後、十分な予算を確保した上で、派遣時間の上限を引き上げるべきではないかと考えますが、健康福祉局長の御所見を伺います。 84: ◯答弁(健康福祉局長) 広島盲ろう者友の会からの要望を受け、平成21年度には、1人当たりの派遣時間について、必要と認められる場合は予算の範囲内で上限を超えた利用を可能とし、柔軟な運用としております。  また、平成26年度には派遣実績や謝礼金単価の増により予算額を約300万円増額するなど、財源の確保に努めているところでございます。  現在、県内の盲聾者の生活状況や、本事業を含む障害福祉サービスの利用状況等に関する実態調査を行っているところであり、今後この結果を踏まえ、派遣時間の基準設定のあり方等について検討してまいりたいと考えております。 85: ◯要望・質疑(山下委員) 県も厳しい財政状況であり、予算確保も容易でないと思いますが、今後十分な予算確保をお願いするとともに、事業実施や運用面での適切な対応を要望しておきます。  次の質問に入ります。先ほど、障害者や高齢者を支える支援についてお伺いいたしましたが、私は、地域でさまざまな団体から要望をお聞きする中で、県の財政状況が厳しく、要望どおりの予算が認めてもらえないという声をよく聞きます。  県では、開かれた県政の構築に向けて、予算編成過程や決算概要、また、財政状況などを積極的に公開されていますが、私は県の予算編成時の要求額のあり方に疑問を感じております。  県がどういった予算を要求しているのか、平成27年度予算要求の内容を見ると、ほとんどの事業で要求額と査定額が同額となっています。これを見ると、要望団体の意向が要求に反映されていないように見え、要求所属と財政サイドが調整した後の要求額を公開しているのではないかと感じます。  本当の意味で開かれた県政を目指すのであれば、真の要求額を記載し、査定理由も含め、明らかにすべきではないかと考えますが、総務局長の御所見をお伺いいたします。 86: ◯答弁総務局長) 現在の予算編成におきましては、事業を所管する各局と重要施策の総合調整を担います経営戦略審議官、経営資源の管理を担う総務局とが早い段階から方向性を協議しながら進めているところでございます。  このため、近年では御指摘のとおり、ほとんどの事業につきまして、要求額と査定額が同額となっている状況でございます。  いずれにいたしましても、予算編成過程の公開方法全般につきまして、さらなる工夫の余地がないかなど、さまざまな観点から必要な見直しを検討してまいりたいと考えております。 87: ◯要望・質疑(山下委員) 全部が千円も違わないというのは、県民から見て相当違和感を覚えるので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  次に、新規就農者の増加対策について、何点か伺いたいと思います。  新規就農者育成交付金の給付効果と活用促進についてであります。新規就農者育成交付金事業は、新規就農者が安心して事業を始めることができるよう、給付金を給付することにより財政的な支援を行うもので、就農前の研修期間中の所得を確保する準備型と、経営が不安定な就農直後の所得確保を支援する経営開始型とがあります。  県は、この国の給付制度を活用するなどして新規就農者を増加させ、将来の農業の担い手を確保しようとされていますが、農業分野の新規就農者数は平成24年度に209人と、200人を超えたものの、平成25年度からは毎年160人前後で推移している状況であります。交付金の存在を知って新規就農につながった者もいれば、この制度を活用せずに就農した者もいるということもお聞きしております。  そこで、新規就農者育成交付金が新規就農者の確保・増加にどのような効果があると評価しているのか、また、県が目標とする年間の新規就農者数200人確保に向けた制度の周知と活用促進についてどのように考えているのか、農林水産局長にお伺いいたします。 88: ◯答弁農林水産局長) 新規就農者育成交付金は、資金力の乏しい就農希望者や新規就農者に対する給付金であり、準備型につきましては、受給者が研修に専念できる効果があるものと考えております。  また、経営開始型につきましては、就農後の経営が不安定な時期の所得の補填となることから、新規就農者の定着に寄与するものと考えております。  次に、制度の周知や活用促進につきましては、就農希望者が直接、市町、JA、県などへ相談にこられた場合、この制度を丁寧に紹介しております。  また、就農を検討されている方へは、本年6月に、JA広島中央会と共同で開設したひろしま農業応援ガイドのホームページなどにより紹介しているところであり、今後とも、この給付金が多くの就農希望者や新規就農者に活用されるよう努めてまいります。 89: ◯質疑(山下委員) 経営力向上のための支援策と効果について質問いたします。就農直後の所得を確保させる経営開始型は給付期間が最長5年間であり、その後は就農者が自立していく必要があります。  担い手の生活基盤を安定させることとあわせ、5年間のうちに栽培技術や高い経営努力を身につけてもらい、確実な収入確保と安定した経営基盤を構築させる支援策が大変重要となると考えます。  そこで、経営力向上のため、県として具体的にどのような支援を行っているのか、また、その成果はどうであったのか、農林水産局長にお伺いいたします。 90: ◯答弁農林水産局長) 新規就農者に対しましては、農業技術指導所が、栽培技術や経営管理などの指導を行い、早期の経営安定が図られるよう支援しているところでございます。  平成27年度は、支援の対象としている187名の新規就農者のうち、約4割に当たる79経営体が目標の所得を達成しております。  また、今年度から、就農時のリスクを軽減させるため、新規就農者にハウスをリースするひろしま農業創生事業に取り組んでいるところでございます。 91: ◯要望(山下委員) もう時間がないので、最後は要望にかえさせていただきたいと思いますが、少なくとも目標どおりの新規就農者の確保に向け、新規就農者育成交付金など支援制度の啓発に努め利用促進を図るとともに、新規就農者が持続的な経営を行い、さらには、経営力の高い担い手に成長していくことが、広島県の目指す産業として自立できる農林水産業の確立にもつながるため、今後とも、新規就農者への積極的な支援を要望いたします。 92: ◯質疑(宮本委員) 広志会の宮本です。質問に入ります。  まず最初に、介護保険制度の安定的な運営についてお尋ねしたいと思います。  平成12年に施行された介護保険制度は16年が経過し、想定を超える少子高齢化の進展などにより、介護施設の不足や在宅介護の環境悪化、介護事業者に対する介護報酬の切り下げや低位に置かれている介護職員の処遇、さらには利用者負担の増大など、介護の現場ではさまざまな深刻な課題が表面化してきております。  県では、毎年300億円以上の介護給付費負担金を支出するとともに、介護施設整備や人材の確保・育成など、さまざまな施策を推進しており、直接制度を運営する市町と同様に、介護保険の適切な運営に大きな責任を持っております。  そこでお尋ねしますが、介護報酬が大幅にマイナス改定となった平成27年度以降の制度改正では、例えば特別養護老人ホーム入所基準の厳格化、一定以上の所得や資産がある人に対する利用者負担割合の変更、要支援1、2を対象とする介護予防給付の地域支援事業への移行などが進められておりますが、これらの制度改正の影響について県はどのように認識しておられるのか、また、各市町において、安定的なサービスの提供について、あるいは、利用者の立場から、適切なサービス利用に係る課題等は生じていないのか、お尋ねいたします。
    93: ◯答弁(健康福祉局長) 近年の介護保険制度の改正は、超高齢社会で人口構成が大きく変化する中にあっても持続可能な制度となるよう、高齢者の社会参加・介護予防の推進と効率的な事業実施のために行われているものと認識いたしております。  特別養護老人ホームの入所対象者は、制度改正により、原則要介護3以上となっておりますが、軽度であっても入所が必要な方については、個々の状況に応じて市町の判断により入所が可能となっており、これが適切に運用されているか、現在調査しているところでございます。  また、一定以上の所得のある高齢者については、利用者負担が1割から2割に変更となっておりますが、高額介護サービス費の給付により、月々の負担上限額が定められております。  地域支援事業につきましては、最終年度である来年度末までに着実に移行し、利用者に必要なサービスが適切に提供されるよう、引き続き市町を支援してまいります。  制度改正に係る課題につきましては、これらの状況も踏まえ、今後、十分に見きわめた上で、把握した課題について市町と密接に連携し、県としても必要な対応を行ってまいります。 94: ◯質疑(宮本委員) 次に、県では、平成27年度から地域医療介護確保基金積立に、介護サービス充実分として50億円余の基金を造成し、介護サービスの基盤整備や質の向上、あるいは介護人材確保などの施策を進めておられますが、国の制度改正への対応、あるいは県内市町における安定的な介護保険事業の運営に向けて、県はどのように取り組んでおられるのか、お伺いします。 95: ◯答弁(健康福祉局長) 安定的な介護保険制度の運営のためには、介護サービス基盤の整備や人材確保が重要であることから、地域医療介護総合確保基金を活用した取り組みを推進しているところでございます。  まず、介護サービス基盤の整備につきましては、市町の介護保険事業計画に基づく施設整備について補助を行っております。  介護人材の確保につきましては、行政・事業者などから成る広島県福祉介護人材確保等総合支援協議会を独自に設置し、人材の確保育成定着に向け、総合的に取り組んでいるところでございます。  また、国の制度改正への対応といたしましては、一連の改正内容等を踏まえ、在宅での介護を支援するための小規模多機能型居宅介護サービスの充実、地域支援事業を進めるため新たに市町に設置する生活支援コーディネーターの人材育成などに向けた取り組みを実施しているところでございます。 96: ◯質疑(宮本委員) 国では、介護保険制度の改正に向けてさらなる見直しも検討されているようでありますが、将来的にも、制度を持続可能かつ安定的に運営していくために、当初の想定を大幅に上回る少子高齢化に対応した見直しも必要であると考えますけれども、特に、近年におけるさまざまな制度改正の方向性は、地域における負担や格差の拡大、すなわち市町の財政力によって地域住民が受けられるサービスの格差が生じることにつながっています。  本来、介護保険制度は、国が責任を持って全国一律で運営していく制度であるが、個人と地方に負担をしわ寄せしている現状を早急に改善し、安定的で持続可能な制度とするため、抜本的な介護保険制度の改革が必要と考えますが、国に対して県はどのように働きかけていかれるのか、お伺いいたします。 97: ◯答弁(健康福祉局長) 介護保険制度は、法に掲げる国民の共同連帯の理念に基づき、全国一律の基準で運営されるべきであり、市町の財政力や地域特性により大きな格差が生じることがなく、一人一人のニーズに対応したサービスが受けられる必要がございます。  少子高齢化など社会を取り巻く情勢が大きく変化する中でも制度が持続可能なものとなるためには、適切な介護報酬の設定や、保険料と国・地方の負担のあり方を含め、必要に応じた見直しが行われるべきものであると考えております。  このため、県といたしましては、引き続き全国知事会等を通じて、こうした制度見直しについて国に対して提案・要望を行ってまいります。 98: ◯要望・質疑(宮本委員) 国に対して、しっかりと働きかけを行っていただきたいと思います。  次に、地域振興局で実施しております地域課題解決支援事業について、何点かお伺いしたいと思います。  一昨年、国が地方創生の旗印を上げて、まち・ひと・しごと創生総合戦略が打ち出され、これに呼応して、全国の自治体においてもそれぞれの特色を生かした総合戦略が策定されたところであります。  我が県においても、昨年10月、ひろしま未来チャレンジビジョンの改定とあわせ、広島県版の総合戦略が策定されましたが、そこでは、本県のまち・ひと・しごと創生に向けた基本的な視点として、魅力ある地域、誰もが安心して暮らすことができる地域を創出するとの考え方が示されております。  そこで、実際の県の取り組みに目を移しますと、県では一昨年、すなわち平成26年度より、地域づくりの支援を目的として、地域課題解決支援事業を実施しているところであります。  この事業の具体的な内容ですが、中山間地域の住民みずからが地域課題を認識し、その解決に向けた取り組みを促すとの趣旨のもと、住民主体で策定された地域づくり計画の実施に要する経費を補助しようとするものであります。  つまり、中山間地域の住民の皆さんの主体的な取り組みを促しつつ、それぞれが持つ課題の解決を図っていこうという仕組みであり、これは単なるばらまきではなく、住民の自立的な地域運営、言いかえれば、地域力を向上していこうというもので、こういった丸投げではない事業の形は評価したいと思います。  そこで、質問ですけれども、この事業のこれまでの実績について、主なものでどのような取り組みが行われてきたのか、また、その成果についてどのように認識しているのか、簡潔にお伺いいたします。 99: ◯答弁(地域政策局長) この事業は、中山間地域において人口減少や高齢化が進む中で、活力の原動力となる地域の方々が主体的に地域づくりに参画し、目指すべき将来像を共有した上で、知恵を出し合って課題解決に取り組む先導的な活動を後押ししようとするものでございます。  これまでの実績といたしましては、例えば、通常では販売できない規格外野菜をパウダー化し加工品として販売するものや、廃業した旅館をレストランに改修すること、また、廃校を利用した地域の方々の健康づくり事業や交流サロンの開催といった取り組みが行われたところでございます。  これらにより、地域に埋もれていた資源の活用や商店街の活性化といった直接的な成果のほか、このような実践活動を通じて、地域における連帯意識が醸成されるといった効果もあり、地域の持続可能性の向上につながり、他の地域のモデルにもなったものと認識いたしております。 100: ◯質疑(宮本委員) 次に、この事業は平成26年度に創設されたものと認識しておりますが、これまでの実績を全て見ると市町ごとの件数は何件になるのか、あわせて、各事業の実施規模は市町の全域にわたるものなのか、それとも一部区域を対象としたものなのか、お伺いいたします。 101: ◯答弁(地域政策局長) 事業開始から今年度の新規採択までを含めたこれまでの支援につきましては、11市町で取り組みを採択しており、その内訳を申し上げますと、安芸太田町及び北広島町でそれぞれ4件、三原市及び庄原市でそれぞれ3件、三次市、安芸高田市及び世羅町でそれぞれ2件、尾道市、府中市、東広島市、大崎上島町で1件ずつの合計24件の取り組みを支援してきたところでございます。  また、それぞれの取り組みにつきましては、住民自治組織等が中心となって作成された地域づくり計画に基づくものであり、その対象となる区域は集落を中心とする各市町の一部区域となっております。 102: ◯質疑(宮本委員) この事業の今年度の実施状況はどうなっているのか、また、今後の市町・地域における新たな事業の見通し・予定はどうなっているのか、さらに、そうした見通しに対して今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 103: ◯答弁(地域政策局長) 今年度は、4市町において5団体の取り組みを支援しているところであり、いずれも昨年度、各団体において策定されました地域づくり計画に基づき、取り組みが着実に進められているところでございます。  一方で、市町においては、従来の自治会活動への補助金に加え、住民の自主的な地域づくり活動に対する支援制度を構築する動きが、ここ最近広がりつつあります。  来年3月から始まる「ひろしま さとやま未来博2017」におきましては、中山間地域の地域づくりに取り組まれる方々の多様な活動を、財政支援やノウハウの提供等により後押しするココロザシ応援プロジェクトを実施することとしており、既に160件を超える取り組みを採択しているところでございます。  中山間地域において、地域づくりに向けた主体的な実践活動を活発にし持続させていくことは重要であると考えており、市町との適切な役割分担を踏まえ、どのような支援が効果的か検討しつつ、県として、活動の中心となるリーダーの育成などに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 104: ◯要望・質疑(宮本委員) ぜひとも、地域創生は本県の中山間地域の創生であるという認識を持って、今後も地域の声に耳を傾け、地域の活力につながる施策を強力に推進していただきたいことを要望して、次に移ります。  次は、広島空港ネットワーク充実事業についてお尋ねいたします。  まず、平成27年度の全便数のうち、広島空港に着陸できなかった便数をお伺いいたします。 105: ◯答弁(土木建築局長) 平成27年度の定期便1万632便のうち、広島空港に着陸できなかった便数は281便で、このうち、天候不良によるものは61便であると国土交通省から伺ってございます。 106: ◯質疑(宮本委員) このネットワーク充実事業について、空港経営改革においてLCCの導入があります。LCCには、計器着陸装置がある機材と、また、あっても、操縦士が対応していないことがあります。そうしたことで、天候不良で広島空港に着陸できないのではないかということが考えられ、LCCの運航に大きな影響があると思いますが、どのように思っておられるか、お伺いいたします。 107: ◯答弁(土木建築局長) 全国の主要な空港90のうち、9割の空港ではCAT-Iの運用で実施されている状況でございます。また、CAT-IIIに対しましては、LCCを含む外航の航空会社の多くが未対応という状況でございます。  CAT-IIIで運航するためには、機材及び乗員の対応が必要でございますが、広島空港に就航しているこれらの航空会社からは、乗員の養成に多額の経費が必要であること、小型機材の構造上専用の装置が搭載できないことなどの課題があると伺っております。  このような状況ではございますが、昨年度は、定期便のうち天候不良により着陸できないケースは1%に満たない状況でございまして、CAT-III未対応による運航への影響は小さいものと考えてございます。  このため、ビジネスや観光への多様なニーズに対応する観点から、CAT-IIIへの対応を要請しながら、LCCを含む外航航空会社の誘致に努めてまいりたいと考えてございます。 108: ◯質疑(宮本委員) 最後に、国内線対策や国際線対策についてさまざまな事業を行っておりますけれども、これらの事業は、空港が民営化されても引き続きされるのでしょうか、お伺いいたします。 109: ◯答弁(土木建築局長) ネットワーク充実事業は、国内外の航空路線の維持拡充に向けたさまざまな取り組みを行うものであり、平成27年度は、エアポートセールスや地方航空間のチャーター便への支援、利用圏域拡大に向けた団体バス助成などを行ってございます。  空港経営改革が導入された場合、路線誘致や利用促進につきましては、民間のマーケティングノウハウを生かしながら運営権者が主要な役割を担っていくこととなります。  しかしながら、県におきましても、トップセールスや利用圏域拡大など、運営権者と連携した取り組みが必要であり、具体的な役割分担は、今後、調整していきたいと考えてございます。 110: ◯要望・質疑(宮本委員) 次に、「山・海・島」体験活動ひろしま全県展開プロジェクトについて質問しようと思ったのですけれども、午前中の質問で重なっております。この事業は、民泊を含めていろいろ頑張っている地域がありますし、また、それを使って、子供たちの人づくりあるいは人格形成に対して大きな効果があると伺っておりますので、ぜひとも、来年度以降も続けていただきたいと要望しておきます。  最後に、先ほどの地域課題解決支援事業や、「山・海・島」体験活動ひろしま全県展開プロジェクトなどさまざまな事業があるのですけれども、うまくいっているのに、どうも数年でやめてしまうという傾向にあります。  そしてまた、うまくいきかけたから今度は市町でしてくださいという話になるのですけれども、先ほど言いましたように、財政力の低い市町に渡してしまうと、地域ごとに格差が出てくると思っております。  県内の住んでいる地域によって格差ができないように、また、できてはいけないと思っているわけですけれども、知事は、今後の県政運営としてこのやり方についてどのように思っているのか、お伺いいたします。 111: ◯答弁(知事) 中山間地域の振興に当たりましては、平成26年度に策定した広島県中山間地域振興計画に基づいて、人・仕事・暮らしを施策の柱として、総合的に施策を展開しているところでございます。  こうした中で、中山間地域における地域課題の解決支援や産業対策を中心とした未来創造支援事業などについては、財政力が低い中山間地域を対象とするとともに、全域過疎市町にあっては補助率を高く設定するなど、市町の財政力を踏まえた配慮を行ってきたところであります。  今後とも、県といたしましては、広域的な視点から、引き続き市町との適切な役割分担を図りつつ、過疎債など中山間地域において活用できる財源を幅広く活用し、中山間地域の活性化に向けて市町の取り組みをしっかりと後押ししてまいりたいと考えているところでございます。 112: ◯要望(宮本委員) ぜひとも、県内に住んでいる地域で格差が生じないような県政運営をしていただきたいと要望しまして、質問を終わります。 113: ◯質疑(宮委員) 民主県政会の宮 政利でございます。通告に従って早速質問させていただきますが、森のようちえん認証制度の検討事業につきましては、今後の取り組みと関連する部分もございますので、これは後ほど常任委員会で質問させていただきたいと思います。  公募型プロポーザル契約制度の改善についてお尋ねしたいと思います。  せんだっての総務局関係の部局別審査で、広域連携先進事例等の調査事業について質問いたしました。それに先立って、公募型プロポーザル方式による契約に関する監査委員からの意見について、総務局長から、要領等の見直しを含め必要な対応について検討するとの説明がございました。  そこで、いつまでに結論を出して、いつ以降に新ルールが適用になるのか、今後のスケジュールをお伺いしたいと思います。  あわせて、公募型プロポーザル方式の機能不全というのは、県民から見ると、競争的入札のアリバイづくりに見えてしまうというリスクがございます。  つまり、周到な準備で臨んでも、結果的に応札が1者ということになった場合、残念ながら県民にはアリバイづくりのために時間とコストを費やしたように見えてしまいます。  むしろ、必要以上にコストの競争性の確保を優先することなく、成果物の品質や評価を丁寧に点検できる契約方法が有効ではないかと考えますが、あわせて会計管理者にお伺いいたします。 114: ◯答弁(会計管理者(兼)会計管理部長) まず、契約制度の改善の時期の関係でございます。  公募型プロポーザル方式による契約につきましては、監査委員の意見も踏まえ、平成27年度契約分のうち、応募者が1者であった契約につきまして、その実態を把握するための詳細調査を行いますとともに、各県の運用状況を参考にするための全国調査を実施したところでございます。  これらの調査結果を踏まえまして、現在、競争性を確保し、業務品質を向上させる観点から、契約制度の見直しを進めているところでございます。  今後、年内には見直し方針を固め、早期に事務処理要領の改正等を行いまして、平成29年度から適用してまいりたいと考えております。  次に、契約制度のあり方という点でございます。  公募型プロポーザル方式は、イベントの企画運営業務や広報業務など、業務内容に高い専門性が要求され、かつ、複数の企業の応募が想定される競争性のある業務につきまして、企画提案による競争を実施することにより、高い業務品質を確保することを目的とした契約方法でございます。  御指摘のように、当初から応募者が1者となることが明らかな場合など、競争性のない業務につきましては、公募型プロポーザル方式の対象とするのではなく、特定の1者と随意契約を締結すべきであると考えておりまして、今後、この方針につきまして周知徹底を図ってまいります。  一方、結果として応募者が1者となった場合の業務品質の確保につきましては、例えば、最低水準点を設定するなど、事務処理要領の改正も含め、現在、検討を進めているところでございます。  このたびの契約制度の見直しにつきましては、今後、その効果を検証し、必要に応じてさらなる見直しを行うなど、競争性を確保し業務品質を向上させる公募型プロポーザル方式の適正な実施に努めてまいります。 115: ◯要望・質疑(宮委員) 来年度から運用開始ということなので、十分な周知期間をとっていただきたい。それから、今、どうも100万円以上はフローチャートで公募型プロポーザルに流れていくように考え方が整理されているようなので、内部的にもそういうやり方で続けてきたという経過と歴史がありますので、契約の意義についても、再度、周知徹底を図っていただきたいと要請しておきます。  続きまして、県税の収入未済額の縮減の取り組みについてお尋ねいたします。  2015年度一般会計の収入未済額およそ72億円の9割が県税になっておりまして、そのうち、73%が個人の県民税になっています。県税全体の収入未済額は前年度から8億円、1割以上減少しておりまして、関係者の御努力に本当に敬意を表したいと存じます。  そこで、2点質問いたします。  まず、個人県民税の収入未済額は、2013年度決算の58億円から、2014年度は51億円、2015年度は46億円と、この2年で大きく減少してきております。  これらの決算状況について、どのように分析・評価しているのか、総務局長にお伺いいたします。 116: ◯答弁総務局長) 委員御指摘のとおり、個人県民税の収入未済額につきましては、平成25年度決算額と平成27年度決算額を比較いたしますと、12億円縮減しております。この要因といたしましては、平成18年度から住民税の滞納案件を県が引き受けて徴収する直接徴収や、県の職員が市町職員の辞令を受けて住民税などを徴収する併任徴収などのさまざまな取り組みを、県と市町が連携して行った成果によるものと考えております。  また、これに加えまして、市町におきましても、効率的な財産調査を行い、より早期に差し押さえに着手するなど絶え間ない徴収努力をしてこられた結果が反映されたものでありまして、県のみならず、市町の歳入確保等の点においても、大きく評価できるものと考えております。  今後とも、市町との連携をさらに強化いたしまして、個人県民税の収入未済額の一層の縮減に取り組んでまいりたいと考えております。 117: ◯意見・質疑(宮委員) 直接・併任徴収に伴って大きなコストの増大はなかったと伺っておりますので、労働強度の点が正しく評価されることが必要だと考えています。  次に、収入未済額を減少させるためには、差し押さえなどの徴収対策だけでなく、納期内納付率を向上させることが極めて重要だと思いますが、どのような取り組みをしてきたのか、総務局長にお伺いいたします。 118: ◯答弁総務局長) 御指摘のとおり、収入未済額を縮減するためには、納期内納付率を向上させることが効率的であると考えております。  このため、まずは納税者の利便性の向上を図ることを目的としまして、これまで、コンビニ収納やインターネットバンキング等を利用しました電子納付の導入など、納税の機会の拡大に取り組んでまいりました。  また、個人県民税につきましては、期限内に確実に納付していただくため、県と市町が連携・協力しまして、給与から天引きする特別徴収の適正実施に向けました課税面での取り組みを平成24年度から進めているところでございます。  今後も、こうした取り組みを推進しまして、納期内納付率の向上に努めてまいりたいと考えています。 119: ◯要望・質疑(宮委員) 三位一体改革以降、個人県民税の対象者の所得が下がった部分に実はウエートがかかっているということがあります。さまざまな工夫を今後も続けていただきたいと思います。  続きまして、先ほども少し出ましたが、広島空港ネットワーク充実事業について、昨年のアシアナ航空機事故に関連して質問いたします。  この事故をおさらいいたしますと、2015年4月14日20時ごろに発生、同月17日から空港は暫定供用に戻りましたが、19~20日は荒天で欠航が相次ぎ、5月5日にCAT-Iが復旧、9月15日にCAT-IIIaが、同19日にCAT-IIIbが復旧したものであります。  そこで、以下、時間の都合で2つずつお尋ねしてまいりたいと思います。  まず、事故に伴う直接的な県の負担は、どういった部分にどれぐらい発生したのか、その財源はどこから調達したのか。  続いて、エアラインの就航率が回復したと見られた2015年6月の会見で、知事は、広島空港を利用した新たな旅行商品の販売支援を行うと述べられました。  2015年9月定例会では、知事は、空港利用者が事故前の水準に戻っていないので空港利用をPRすると述べ、一般財源から2,860万円を捻出した補正予算を提案されました。  そこで、直接事故に起因する復旧に関連した費用ではなく、空港利用の回復のために副次的に必要となった県の支出について、2015年度中にどのような分野で幾らだったのか、その財源はどこから調達されたのか、あわせて土木建築局長にお伺いいたします。 120: ◯質疑(土木建築局長) 初めに、直接的な県の負担の件についてお答え申し上げます。  今回の事故により破損した施設は、計器着陸装置、航空灯火及び滑走路であり、これらは国におきまして事故後速やかに復旧されておりまして、直接的な県の負担は発生してございません。  次に、副次的に航空利用の回復のために必要となった県の支出についてお答え申し上げます。  昨年度は、6月補正予算及び9月補正予算により、広島空港の利用促進のための取り組みを実施いたしました。このうち、就航率の改善や航空利用の機運醸成を図るための広島空港のPRに4,280万円余、旅行商品の販売実績に応じた助成による空港の利用促進に1,539万円余、総額5,820万円余を執行しており、いずれの補正予算も一般財源で措置してございます。 121: ◯質疑(宮委員) 参考のためにお伺いしますが、過去10年間に県がアシアナ航空に対して支払った運航支援のための金額は、累計で幾らになりますか。 122: ◯答弁(土木建築局長) アシアナ航空に対しましては、平成21年度にナイトステイを開始する際の経費の一部として1,049万円余を助成したものを初め、過去10年間で総額3,164万円余を助成いたしてございます。
    123: ◯質疑(宮委員) こういった事故が発生した場合、エアライン同士では、世界中の空港で同様の事故のリスクがあるために、欠航あるいは減便による損害賠償をお互いに求めないという紳士協定があると伺っています。  しかし、県としては、空港管理者ではないものの、先ほど御説明がありましたこれまでの空港振興、利用活性化に投じた5,820万円あるいは運航支援の3,164万円を初めとして、そういう財政支援の効果がスポイルされたわけでありまして、県施策に呼応して県内市町においても2015年度決算額で3,881万7,000円の負担をいただいている実態にあります。加えて、空ビルやホテルなど県が関与するセクターも、原因者が明らかな損害が発生しているというのが実態だろうと思います。  副次的な損害額の算定については各論あると思いますけれども、ざっくり言って県として、アシアナ航空に対する損害賠償というか求償権を行使することについてはどのように検討されたのか、また、求償権の行使が今後の路線誘致に影響することについてはどのように検討されたのか、土木建築局長にお伺いいたします。 124: ◯答弁(土木建築局長) アシアナ航空機事故につきましては、運輸安全委員会において事故の調査が行われており、現在、関係機関に対して意見照会を行っている段階にあると伺ってございます。  アシアナ航空に対する求償権の行使等につきましては、運輸安全委員会の調査の結論を踏まえ、県としての対応を検討してまいりたいと考えてございます。 125: ◯要望・質疑(宮委員) 先日の読売新聞でしたか、近々出そうだということがありました。  県内市町にも、応益応能の負担をお願いしており、ひいては県民が負担しているということを考えると、どういったことを検討してこういう結論に至ったのかという説明責任も、やはり県の側にあると思うのです。今後、運輸安全委員会の結果が出てからでも結構ですので、そこはしっかりと丁寧に説明していただきたいと思います。  続きまして、中期財政健全化計画の実績への評価について、お尋ねいたします。プライマリーバランスの件については、先ほど出ましたので割愛させていただきます。  まず、2015年度決算の予算流用についてお伺いしますが、この流用額合計は前年度の29億円から半減しております。これは予算編成の積算精度が向上したという評価ができると思いますし、必ずしも流用すること自体が悪いことではありませんが、事業とコストの関係を説明する責任からすると、予算の流用は少ないほうが好ましいと判断いたしております。  そこで、昨年度、流用額を縮減するために工夫・改善した点は何か、その効果についてどのように評価しておられるか、総務局長にお伺いいたします。 126: ◯答弁総務局長) 歳出予算の流用につきましては、地方自治法で認められました予算執行の手法でありますけれども、平成24年度以降、県民への説明責任を果たすという観点から、当初予算成立後の情勢変化等への対応は、補正予算に計上した後、執行することを基本としまして、各事業の予算流用は必要最小限にとどめることとしたところでございます。  これによりまして、流用総額が毎年減少してきておりますが、これは、とりわけ公共事業中心に事業の見直しに伴う変更をできるだけ早い時期に精査し、最終補正予算へ反映させるよう努めてきた結果であると考えております。今後とも引き続き、適切な予算執行に努めてまいりたいと考えております。 127: ◯質疑(宮委員) 執行見込みを早目にキャッチして、的確に補正をしたということでお伺いしました。  それで、2010年12月に作成した中期財政健全化計画では、実質的な県債残高を向こう5年間で1,400億円縮減するという目標が掲げられました。今回の決算では、累計で2,076億円の縮減ということになりました。  ところで、この実質的な県債残高の縮減というのは、計画策定時は県の自己努力による縮減目標だったと思われるのですが、この5カ年累計の縮減額2,076億円に達したうち県の自己努力分はざっくりどれくらいと判断されていらっしゃるか、総務局長にお聞かせ願いたいと思います。 128: ◯答弁総務局長) 実質的な県債残高につきましては、国の経済対策など、さまざまな増減要因による影響もございます。  したがいまして、自己努力分について、なかなか正確なお答えは難しいところでありますが、結果として、経費の削減や歳入確保などの取り組みを着実に進めたことによって退職手当債の発行抑制などが可能となったことから、目標を約600億円上回る縮減が図られたものと考えております。 129: ◯要望(宮委員) 最後は要望だけにしておきますけれども、予算編成の精度が上がったことや県債残高の縮減が進んだことが、さまざまな事業の進行管理に悪い影響を出してはよくないと思っております。  さまざま納得づくで優先順位が決められて、年次計画もあると思いますけれども、着実に進行が図られることによって県民満足度が上がっていき、そしてUIJターンの人がふえていくといった大きなビジョンを、今、知事も掲げられていると思いますので、例えば阻害要因になるような財政運営上の必要があれば、それは議会にも県民にもきちんと説明していただきたい。県民との共有を図ることについては、我々も努力しますし、県当局としても、今後努力を進めていただきたいと要請いたしまして、質問を終わります。 130: ◯質疑(佐々木委員) 最初に、人口減少対策について、若者の県外流出の防止等とあわせて質問させていただきたいと思います。  広島県は、中四国の中枢県として重要な役割を担っておりますが、国勢調査によれば、平成7年の288万人をピークに人口が減少してきておりまして、直近の平成27年の国勢調査では約284万人と、平成7年に比べて約4万人減少しております。  人口減少の主な要因は出生率の低下であると思われますが、若者の県外への転出超過が続いておりまして、それも要因の一つではないかと思われるのであります。特に、進学で県外へ出た若者が卒業後に広島県に帰ってくるような魅力ある広島県にする必要があると思っております。  県は、新卒大学生のUIJターン就職の促進を行っておりますが、どのように広島県の魅力を発信し、成果はどのようになっているのか、商工労働局長にお伺いいたします。 131: ◯答弁(商工労働局長) 県外大学生のUIJターン就職を促進するため、オンリーワン・ナンバーワン企業など本県の魅力ある企業や、都市と自然の近接性など広島県で暮らす魅力につきまして、これまで、県外での合同企業説明会や県内企業若手社員との交流会などの機会を捉えまして、学生に情報提供を行ってきているところでございます。  また、昨年10月からは、UIJターン就活応援サイト「GOひろしま」を開設いたしまして、学生みずからが取材した県内企業のよさや、先輩社会人が語る広島県で働く魅力などにつきまして、積極的な情報発信を行っているところでございます。  さらに本年度は、大学進学後の早い段階から、UIJターン就職への意識醸成を図るため、大学1、2年生を対象に、県内企業訪問や社員との交流会のほか、広島県でのライフスタイルの体験などを通じまして広島県の魅力を知ってもらうサマーワークショップを開催したところでございます。  こうした中、新卒学生のUIJターン就職率も、近年、徐々に上昇傾向にございまして、平成27年度は32.6%ということで、目標の30.4%を上回る状況になっております。  今後とも、県外大学生のUIJターン就職者の増加に向けまして、広島県での就職に魅力を感じてもらえるさまざまな情報を積極的に発信してまいりたいと考えております。 132: ◯質疑(佐々木委員) 県内でも、教育力の高い魅力ある高等教育の機関を育成して、進学で若者を流出させず、逆に、県外から若者を呼び込むことも必要ではないかと思われますが、高等教育機関の魅力向上のためにどのような施策を行い、成果はどうなっているのか、環境県民局長にお伺いいたします。 133: ◯答弁(環境県民局長) 大学進学時の転入・転出につきましては、文部科学省の学校基本調査によりますと、県内の高校を卒業し今年度大学へ進学した1万5,733人のうち、県内大学へ進学した者が53.3%の8,385人であり、転入転出では、県外の大学へ進学した転出者が46.7%の7,348人となっている一方、県外の高校から県内の大学へ進学した転入者が5,675人おり、その差の1,673人が転出超過となっております。  こうした転出超過への本県の対応といたしまして、まず、県内大学の魅力を向上する取り組みとして、大学が行う新たな教育プログラムの開発実施を支援しており、昨年度までの4年間で県内の約7割の大学の参加を得て、延べ28件のプログラムを実施してきたところでございます。  また、県外への転出を減らす取り組みとして、県内の高校生に対し、大学生等が県内大学の魅力を直接伝える事業を実施し、昨年度までの3年間で約5,500人の高校生の参加を得ました。  さらに今年度からは、県外からの転入をふやすため、県外の高校の進路指導担当者等を訪問し県内大学のPRを行うとともに、生徒のニーズや受験動向の把握に努めているところでございます。  こうした中、大学進学時の転出超過につきましては、年度ごとの増減はあるものの、直近5年間で見ますとおおむね200人弱の減少となっており、今後とも高等教育機関の魅力向上に継続的に取り組むことにより、転出超過の縮減を図ってまいりたいと考えております。 134: ◯質疑(佐々木委員) 近年、未婚化・晩婚化が進行しておりますが、地域で結婚のお世話をされている方がおられます。私も何組かやらせていただいておりますが、成婚したカップルが赤ちゃんを連れて報告に来てくれると、大変気分が和らいでうれしいものであります。  こうした中、県では、結婚を希望する若者を応援するため、ひろしま出会いサポートセンターを開設し、情報発信や地域のボランティア団体や個人への支援を進めております。  私も、このような出会いの場づくりにつながる人材育成が重要であると考えております。県のこれまでの取り組みと成果について、健康福祉局長にお伺いいたします。 135: ◯答弁(健康福祉局長) 平成26年8月にひろしま出会いサポートセンターを開設し、平成27年6月からはその取り組みを加速させるため、みんなでおせっかい「こいのわ」プロジェクトを展開し、地域での結婚支援活動の活性化、県内各地での出会いの場の創出、啓発プロモーションを複合的に実施いたしております。  こうした結果、ひろしま出会いサポートセンターの登録会員は10月末現在で7,164人と増加し、地域で結婚支援活動を行うボランティア団体であるひろしま出会いサポーターズは26団体となるなど、県の結婚支援施策の取り組みが着実に浸透してきていると実感いたしております。  今年度からは、イベントでのおせっかい役やカップルのフォローを行う、こいのわボランティアを養成しており、現在51名の方が登録し、10月から活躍していただいております。  今後も、こうした地域で結婚したい若者を応援するおせっかいの輪がさらに広がるよう積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 136: ◯質疑(佐々木委員) 次に、社会福祉協議会の支援についてお伺いしたいと思います。  社会福祉協議会は、社会福祉の中心的な役割を果たしております。特に市町の社会福祉協議会は、民生委員・児童委員、社会福祉関係者、単位町内会、子供会、学校と連携して、地域の人々が住みなれた地域で安心して生活できるよう、ふれあいサロンなど地域に密着した活動を行っております。  私が会長をしていた地元においても、男性に特化したメンズサロン、体力づくりを兼ねた畑でのサロン、コミュニケーション不足を補うふれあいカフェなど工夫を凝らした試みが行われているところであります。  地域の人口減少とともに、ひとり暮らしの高齢者、介護問題など、さまざまな生活上の問題が発生している中で、こうしたサロン活動を含めた社会福祉協議会の活動は、地域社会でますます重要になっていると考えております。  そこで、地域を支える社会福祉協議会の活動については県の支援が欠かせないと考えておりますが、県はどのような支援を行っているのか、健康福祉局にお伺いいたします。 137: ◯答弁(健康福祉局長) 社会福祉協議会では、地域住民によるサロン活動など地域における互助・共助による支え合い活動等を進められており、県としても、地域での生活支援を推進する上で重要な取り組みであると認識いたしております。  このため、県では、これらの取り組みが円滑に進むよう、県社会福祉協議会が市町の社会福祉協議会に実施している相談業務や人材養成等の事業に対して、財政的な支援を行っております。  具体的には、県社協が実施するサロンの開設や常設化に向けた相談業務、生活支援の担い手としての住民リーダーの養成研修、加えて高齢者等が地域で安心した生活を送れるようサポートするため、福祉サービスの利用が適切にできるよう援助する仕組みづくりや、成年後見制度の利用促進に向けた人材養成研修などの取り組みも支援しているところでございます。  今後も、こうした取り組みへの支援を通じて、高齢者等が地域で安心安全に暮らせるよう、地域における支え合いの仕組みづくりを推進してまいります。 138: ◯意見(佐々木委員) 私は、やはり地域で選任された議員であります。これからの結婚とか出会いとかも、社会的な事業の一環と思っているわけです。  今、なかなか成約率が悪いわけですが、できるだけ、私どももお世話やおせっかいをしていかなくてはならないのではないかと思っておりますが、これからもそういう環境づくりに努めてまいりたいと思っております。  休憩 午後2時55分  再開 午後3時16分 139: ◯質疑(辻委員) 日本共産党の辻 恒雄です。早速質問に入ります。  まず、少人数学級の拡充についてお尋ねいたします。  少人数学級は、県民の極めて切実な教育要求であるとともに、欧米では1学級30人以下が当たり前になっているように、世界の流れでもあります。2010年の中教審初等中等教育分科会部会での提言では、40人という学級規模では学級経営が困難となっていると、40人学級の学級経営の困難性を明らかにしています。  そこで、少人数学級の効果についてどのように考えているのか、まずお尋ねいたします。 140: ◯答弁教育長) 少人数学級につきましては、児童一人一人の状況をより丁寧に把握することができ、個々の児童のつまずき等に対する指導がより適切にできるようになるなどの効果があるものと考えております。 141: ◯質疑(辻委員) それだけではなく、少人数学級によって、教師と児童生徒とのかかわりが密になって指導が十分行き届くことが、教育の質の向上にもつながる効果をもたらしています。実際、山形県での少人数学級の編成の効果についての調査によりますと、学力の向上、不登校の減少、さらに欠席率の低下にまでつながる大きな効果が発揮されています。少人数学級によって教員の意識が変わり、授業が改善され、結果として、先ほどのような効果をもたらしたと山形県では分析しております。  学力の面でも、秋田県や鳥取県でも向上が見られるという効果をもたらして、35人学級など少人数学級の効果は本当に大きなものがあるということが、これらの事例を見ても明らかになっています。  そこで、広島県での35人学級は小学校2年生までとなっていますが、全国では、広島県より対象年齢を引き上げている県は幾つあるのか、お尋ねいたします。 142: ◯答弁教育長) 平成28年度におきまして、全ての学校で対象学年を引き上げている都道府県の数は25で、一部の学校で引き上げているのは、19でございます。 143: ◯質疑(辻委員) 両方合わせたら、少人数学級を進めているのは、44都道府県になるという状況で、全国的には少人数学級は大きな流れになっている。  そこで、35人学級について、広島県と同じく小学校2年生までしか行っていない県を具体的に明らかにしてください。 144: ◯答弁教育長) 平成28年度におきまして、本県と同様の形で実施しているのは、大阪府及び熊本県でございます。 145: ◯質疑(辻委員) 今の答弁にありましたように、広島県と同じように35人学級が小学2年生までであるのは1府2県と、この点でも圧倒的に広島県のおくれが明らかになっています。  そこで、今度は中国5県を見た場合、35人学級をそれぞれ何年生まで実施しているのか、お伺いいたします。 146: ◯答弁教育長) 平成28年度におきまして、鳥取県、島根県及び山口県におきましては全学年において、岡山県におきましては研究指定校の一部の学年において実施されているものと伺っております。 147: ◯質疑(辻委員) 今言われましたように、中国5県でも岡山県は研究指定校ということになっていますけれども、広島県以外は35人学級を拡大し、中学3年生までになっています。特に島根県では昨年度、小学5年生と中学2年生まで、今年度、小学6年生と中学3年生まで計画的に引き上げて少人数学級を拡大している状況が実際あるわけです。  一方、広島県は、いまだ小学2年生までということになっているわけですが、全国的に少人数学級の拡大がどんどん進んでいます。広島県ではなぜ進まないのかについて聞きたいと思います。 148: ◯答弁教育長) 他県におきましては、国の加配定数を活用いたしまして35人学級を行っている例があると聞いております。  しかしながら、本県におきましては、国の加配定数を活用して35人学級を編成した場合には、加配定数のおよそ半分を充てる必要がございます。生徒指導集中対策プロジェクトを初め、学力向上や特別支援教育の充実などの取り組みが実施できなくなるため、困難であると考えております。 149: ◯質疑(辻委員) 加配を充てることでの少人数学級ということですけれども、他県は少人数学級のよさを認めて、その中で教育の質を上げ、行き届いた教育を進めていくことを実施しているわけで、本県ではその点についてはいずれにしろなかなか進まないという状況が、一層明らかになっています。  小学3年生、小学6年生、さらに中学3年生まで35人学級を実施すると、教員が何人必要で、経費は幾ら要るのか、それぞれについてお伺いします。 150: ◯答弁教育長) 平成29年度において現行の小学2年生を小学3年生まで引き上げた場合、教員数として45名程度、人件費として約4億円でございます。小学校6年生まで引き上げた場合、教員数として160名程度、人件費として約13億円、中学3年生まで引き上げた場合、教員数として300名程度、人件費として約24億円が毎年度必要となります。 151: ◯質疑(辻委員) 経費がかかり、教員も必要になってくるのは当然だと思いますが、私は少人数学級で、どの子にも行き届いた教育を実施していくことがやはり大事だと考えるわけです。  そこで、35人学級の対象学年を中学3年生まで拡大してはどうかと思うわけですけれども、いかがでしょうか。 152: ◯答弁教育長) 少人数学級編制を拡大するためには、多額の経費負担を伴うことから、国からの特段の措置なしに少人数学級を拡大することは困難であると考えております。  なお、義務教育における少人数学級の推進は、国が責任を持って標準法の改正を行い、導入されるべきものと考えております。国に対しまして、全国都道府県教育長協議会などを通じて、引き続き、標準法の改正による35人学級の導入を要望してまいります。 153: ◯質疑(辻委員) もちろん国が一義的にこれを進めていくという形をとれば一番いいわけですけれども、現実問題そういう状況にはなっていない中で、本当に子供たちの教育をより豊かに、より効果的にしていくという点でも、先ほど他県の例を出しましたけれども、やはり今は必要なことだと思っております。県の市長会と町村会が連名で、子供一人一人に応じたきめ細かな教育を適時適切に実施できるよう、小学校における35人学級の編成を3年生まで拡大するようにと、昨年要望も出されています。そういう点では、私は非常に困難があるとは思いますけれども、ぜひこれは実現してほしいと思うのですが、再度、いかがでしょうか。 154: ◯答弁教育長) 少人数学級編成の必要性は認識いたしておりますが、多大な財政負担を伴うことでございまして、国に対してしっかりと要望してまいりたいと考えております。 155: ◯要望・質疑(辻委員) 国に要望するのは大いに結構ですけれども、私は少人数学級を本県でも大いに拡大して、どの子にも行き届いた教育をしっかりしていける県政をすることを要望いたしまして、次に移りたいと思います。  次は、中小企業振興条例についてお伺いいたします。  中小企業振興条例について、名称はさまざまですが、全国的には現在41道府県が99振興条例等を策定しています。直近では、本年3月11日に山梨県が、県経済の持続的発展と活性化を図るために中小企業・小企業の振興を重要課題と再認識し、中小企業・小企業の一層の成長発展、持続的発展を目指すことを決意して、山梨県中小企業・小規模企業振興条例を施行しています。さらに、4月1日には岐阜県が、小規模企業を初めとする中小企業の振興について必要な施策を総合的に推進するために、岐阜県中小企業・小規模企業振興条例を施行しています。  現在、条例をつくっていないのは、茨城、東京、広島、山口、高知、佐賀の6県となっています。事業所で99%、雇用で70~78%を支える中小企業全体を視野に入れた施策を進めていくために、中小企業振興条例のような条例を定めて、行政の具体的な施策の柱として、産学官民の連携によって地域において施策を進めていくことが必要だと考えるものです。  部局別審査のときに、商工労働局長は今後の研究課題にすると答弁していますが、中小企業振興条例のような条例制定についてどのように考えているのか、改めて認識を伺うものです。 156: ◯答弁(商工労働局長) 今後、県内中小企業・小規模事業者が持続的に発展していくためには、イノベーションを通じて競争力を高めることが重要であると考えておりまして、昨年秋に改定したひろしま未来チャレンジビジョンにおきましては、新たに産業イノベーションという領域を設けまして、これに基づき、県内中小企業等に対するさまざまな支援に取り組んでいるところでございます。  あわせまして、本県では平成26年6月の小規模基本法の制定、さらには小規模支援法の改正を受けまして、商工会等や産業支援機関が一体となった支援体制の整備に向け、経営発達支援計画の策定を支援いたしますとともに、企業に寄り添った伴走型支援の取り組みも推進いたしておりまして、引き続き、県内中小企業等に対する成長支援に取り組んでまいりたいと考えております。  御指摘の中小企業振興条例につきましては、41道府県において制定されておりますが、その多くは理念的なものにとどまっているものと受けとめておりまして、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。 157: ◯質疑(辻委員) 確かに理念条例として制定されていますけれども、その条例を柱にして、先進的な自治体では、地域の中小企業・小企業の状態を把握する実態調査を行って、その後、各界各層から成る産業振興会議のようなものをつくって新たな施策を講じている。そういう点では、広島県も条例の制定を行うべきだと思うわけですが、いかがでしょうか。 158: ◯答弁(商工労働局長) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、条例制定につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。 159: ◯要望・質疑(辻委員) 岐阜県、山梨県あるいは東京都墨田区や大阪府八尾市などの先進事例に並んで、広島県も中小企業・小企業全体を視野に入れた条例をつくって産業振興を図るべきだということを強く要望して、この問題については終わります。  次は、子供の医療費の公費負担事業についてお伺いいたします。  少子化の一因に、働く女性がふえているにもかかわらず、働きながら安心して子供を産み育てる環境がいまだ十分整っていないことがあります。そういう中で、いつでもどこでも医療費の心配なく安心して医療を受けられる環境の充実が強く求められています。  広島県は、入通院とも、公費負担事業については就学前までが対象となっていますが、一方、広島県より対象年齢を引き上げている都道府県は、通院では15都府県、入院では24都道府県となっています。最高は福島県、鳥取県で、入通院とも18歳年度末などを対象にしています。  対象年齢の引き上げは全国的な流れとなっていますが、子育てにいつでも安心して医療を受けられるという点で、広島県も対象年齢を引き上げてはいかがでしょうか。 160: ◯答弁(健康福祉局長) 乳幼児医療費公費負担事業については、少子化が進行する中で、乳幼児の健康保持、子育て家庭の経済的負担の軽減という二つの観点から重要な施策の一つとして実施してきたところでございます。  対象年齢の引き上げにつきましては、福祉施策全体のバランスの中で受益と負担の公平性が保たれるか、社会保障関係費全体の動向等を勘案しながら、安定的で持続可能な制度となり得るかなどについて慎重に検討すべきものと考えております。  一方で、この制度は、本来、国が全国一律のサービスとして提供すべきものと考えられることから、国の責任において、子供の医療に係る制度を構築するよう働きかけてきたところであり、その結果、5月の第8回一億総活躍国民会議において、年末までに結論を得るとされたため、本県といたしましては、国の動向を注視しますとともに、引き続き機会を捉えて国に積極的に働きかけてまいります。
    161: ◯質疑(辻委員) 国の動向を注視するのは結構だけれども、県内でも広島市が来年1月から入院は中学3年、通院は小学3年生まで拡充の予定で、これで県内市町全てが広島県の制度よりも拡充することになるわけですが、この際、対象年齢を中学3年生まで広げてはどうでしょうか。 162: ◯答弁(健康福祉局長) 乳幼児医療費助成につきましては、各市町がそれぞれ独自に制度拡充されておりますが、これらは子育て支援策の充実など、地域の実情において取り組まれているものと認識いたしております。  対象年齢の引き上げにつきましては、今後の社会保障関係費全体の動向等を勘案しながら慎重に検討すべきものと考えており、本来、国が全国一律のサービスとして提供すべきものであることから、現在検討が進められております国の動向を注視しますとともに、引き続き、積極的に働きかけてまいります。 163: ◯質疑(辻委員) これは確かに全国一律になれば結構な話ですが、国もそういう状況になかなかなっていないから、各市町が少子化対策、定住対策、若者支援、子育て支援という形で、こういった制度を行われているわけで、広島県も国を待たず、対象年齢を引き上げていくことが必要だと思うのです。小学6年生まで入院のみ拡大するには、あと1億円追加すれば実現するわけで、まずここから段階的に上げていくということで始めてはどうかと思うのですが、知事の決断をお聞きしたいと思います。 164: ◯答弁(知事) 乳幼児医療費助成については、全国全ての市町村において実施されているところでありますが、自治体間によって子供たちの受ける医療サービスに差が生じるのは適当ではないと考えております。そういう意味で、国が全国一律のサービスとして提供すべきものであり、引き続き、機会を捉えて国に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 165: ◯要望(辻委員) 時間が参りましたので、いつでもどこでも医療費の心配なく安心して医療を受けられる環境を整備して、少子化対策をして、また、「仕事でチャレンジ 暮らしをエンジョイ」を標榜するファミリー・フレンドリーな広島県にしていくためにも、乳幼児医療費の公費負担の対象年齢を引き上げることを強く要望して、質問を終わります。 166: ◯質疑(岡崎委員) こんにちは。自民会の岡崎でございます。  午前中に畑石委員、先ほどは宮委員から質問がありました財政問題について、重複しますが、重要な問題でございますので、質問させていただきたいと思います。今まで決算特別委員会で平成27年度決算を部局別に審査してまいりましたが、くしくも平成27年度は前中期財政健全化計画の最終年ということで、それについて質問させていただきます。  今まで、県債残高が1,400億円の縮減目標に対して2,000億円縮減されたということでございます。その大きな要因は、退職手当債が800億円ぐらい縮減されたことですが、税収があったからこそ、そうした発行抑制ができたわけです。平成28年度から財政健全化計画ではなく財政運営方針になった中で、それが策定されるまでに、そうした税収等も含めての総括がきちんと行われていなかったのではなかろうかと思っております。  実績の1,300億円には、確かに当初見込んでいなかった、消費税が5%から8%に上がったことによる影響があるわけですが、それと同時に、県経済が計画以上に成長して税収がふえたことが大きな要因ではなかろうかと思っております。  そこで、県は国の名目成長率をもとに試算されているわけですが、実際、国と県の成長率は、この間どうであったのか、経営戦略審議官にお尋ね申し上げます。 167: ◯答弁(経営戦略審議官) 平成27年度のGDPの公表が未公表であるため、平成26年度までのデータで申し上げますと、国全体と本県の名目経済成長率につきましては、平成22年度と平成26年度を比較いたしますと、国全体の1.9%に対しまして、本県は、7.8%の上昇となっております。 168: ◯質疑(岡崎委員) 本当に県民総力を挙げて、国を大きく4倍上回る成長を遂げているわけでございますが、その主な要因をどのように分析されておりますか。 169: ◯答弁(経営戦略審議官) 本県が国の成長率を上回っております主な要因でございますが、第2次産業のうち製造業におきまして、本県の伸びが国を10ポイント程度上回っていることが挙げられると考えております。これは、本県の特徴といたしまして、輸出型産業のウエートが高いことから、近年の円安の影響等によりまして、一般機械や自動車を中心とした輸送用機械の輸出の増加などによるものと認識しております。 170: ◯質疑(岡崎委員) 確かに為替という要因があるのですが、やはりそれは、ものづくりに対する技術力、科学力の競争力が大きい要因ではなかろうかと私は思っております。この基調は、今後少なくとも5年単位で続いていくのではなかろうかと思いますが、今後の経済成長をどのように予想しておられますか。 171: ◯答弁(経営戦略審議官) 今後の見通しでございますけれども、プラス要因といたしましては、本県の基幹産業である製造業が引き続き堅調に推移していることに加え、インバウンドを初めとする観光客の増加が続いていること、さらに、雇用情勢が改善していること等が挙げられます。  一方、懸案要因といたしましては、先ごろのアメリカ大統領選挙以降、今後の為替情勢あるいはTPP協定の動向等が見通せない状況にあるということがございます。また、このほか世界的に見ても造船業や海運業において、経営統合等が相次いでなされております。  こうしたことから、本県の経済は全般的に回復基調であるものの、先行きが不透明な状況であると認識しております。 172: ◯質疑(岡崎委員) その主要施策の成果に関する説明書には、各種施策がいろいろあって、目標達成率等が個別にあるのですが、その集合体として最大の目標は、県民が豊かになったと実感できる広島県づくりであろうと思っておりますし、それを総括されるのが経営戦略審議官の役割であるわけです。中期財政運営方針と名前が変わって財政健全化という文言は消え、歳出面だけに特化している。これから経済成長に対する県の意思を明確に示しながら、バランスをとって、歳出をどうやっていくか。国も、骨太の方針にありますように、経済運営あるいは財政運営を一体として国のあり方を示しているわけです。だから、県も、財政運営方針というのはやはり基本方針ですので、今後、そうしたバランスをとった策定のあり方が必要だと思いますが、その点について、所管は総務局でございますので、総務局長にお尋ねします。 173: ◯答弁総務局長) 委員御指摘のとおり、県勢発展に向けた政策の実施と、将来を見据えました財政健全化の取り組みにつきましては、適切なバランスを保ちながら進めていくべきものと考えております。  このため、昨年度策定いたしました中期財政運営方針におきましては、チャレンジビジョンの目指す姿の実現に向けまして、必要な政策的経費を確保する一方で、県勢発展に必要な経営資源を将来にわたって確保していくため、将来負担額の着実な縮減を進めていくことを方針としたところでございます。 174: ◯質疑(岡崎委員) 中期財政運営方針の中で、政策的経費は平成27年度のものをもとにずっと横並びで、確かに今までの削減計画に歯どめがかかったわけですが、その全体額は最下点の金額をとっているわけでございます。一方で、今度は1,800億円の県債を縮減していく。決算を見ると、つくられた時点のタイムラグとして、既にスタートで県債発行額が123億円違うわけです。さらに今までの県税収入もまた、底堅い経済基調を勘案すると、これは楽に超えていけると私は思っております。  そもそも財政健全化計画はバブル崩壊後の県政の財政悪化に伴って平成12年に緊急避難的につくったもので、歳出抑制計画になっているわけです。だから今、安定した経済基盤である中で、先ほど言いましたように、税収と歳出のバランスをとって、チャレンジプランが着実に実行できるようにするべきで、この投資ではまだまだ十分市町の要望には応えられていない。確かに成長率がアップしておりますが、県内全域では地域格差がどんどん生まれている。ローカルアベノミクスを隅々まで行き渡らせるのは県・市町の役割であって、連携しながらそうした県土づくりを行っていかなければならない中で、やはり政策的経費が十分ではないのではなかろうかと思っております。  今後そうした観点から、財政運営方針で、例えば5年間で1,800億円削減することは一つの財政規律にしまして、それ以上出たものを削減に回すのではなく、年度ごとにローリングして投資に回しながら、そうした県土づくりを行う積極的な財政指針が必要ではなかろうかと思いますが、その点について、知事にお考えをお伺いいたします。 175: ◯答弁(知事) 財政健全化については、御指摘のとおり、実質的な県債残高の縮減、あるいは、将来負担比率の低減など一定の成果があらわれてきてはございます。一方で、将来にわたって県勢の持続的な発展のために必要となる政策的経費の確保を図る観点から、引き続き、残高自体が大きいということも含めて、県債発行額の適切なマネジメントが必要であると考えております。  一方で、計画期間中に生じた新たな課題についても的確に対応することとしておりまして、例えば、平成26年の広島市での大規模土砂災害に際しては、直ちに大型の補正予算を編成するなど、中期財政健全化計画の目標とは別枠の措置として、経営資源を集中させて必要な対応を行っているところでございます。  今後とも、中期財政運営方針を踏まえた財政運営を行っていく必要はございますが、県として真に必要な施策については積極的に対応してまいりたいと考えております。 176: ◯要望・質疑(岡崎委員) 国ではよく、大きな政府、小さな政府と論じられておりますが、地方は大きな自治体を目指すべきだと私は思います。といいますのも、自主財源、依存財源とありますが、平成27年度には、久しぶりに自主財源の比率が50%台を超えております。つまり、財政から言うと本当に安定的あるいは持続的な基盤が築かれている。  しかし、県民の立場から言いますと、100万円の予算に対して53万円を負担するのと47万円を負担するのとでは、やはり小さい財源で大きなサービスを受けられるのが望ましいと思います。まして、国が地方自治体の債券発行も全てマネジメントしている中で、税収も各自治体一緒でございます。課税自主権ということがありますが、ほとんど使われていない面から考えると、やはり小さい財源で国庫補助金あるいは地方交付税をしっかり持ってきて、一般財源で可能な限り事業をやっていくことが自治体の財政の基本にあるべきではなかろうかと、私は思っております。  やはり今の県勢発展にとりまして、もっともっと積極的財政を目指していただきたいということを要望して、財政問題については終わります。  続きまして、企業立地促進事業についてお尋ね申し上げます。  まず、平成27年の企業局の土地造成事業会計では、土地売却収益43億4,300万円とありますが、このうち企業立地助成金として、企業に対して、どのぐらいの助成金が交付される予定か、また、平成27年の企業立地助成実績金額が47億円余りとなっているが、そのうち土地助成はどの程度か、商工労働局長にお伺いいたします。 177: ◯答弁(商工労働局長) まず、公営企業の土地収入のうち、立地助成分は、今、手元には持っていないのですけれども、それなりのウエートを占めていると考えております。  それから、平成27年度の助成金の決算額47億5,500万円余のうち、土地助成が15億300万円余になっております。 178: ◯質疑(岡崎委員) 47億円のうち、3分の1程度が土地の助成金ということでございます。  企業局の土地造成のほうで、団地ごとの助成率を決めております。3年前ですか、公営企業会計の改正によりまして、在庫を時価評価にするということで債務超過になったわけですが、さらに現在の時価とギャップがあるということで、その差額分を団地ごとに決めて、多分、平均40%ぐらいの助成になっていると思います。そうしたものは本来、土地会計で処理すべきですが、企業立地助成金で処理している中で、結果的に、本来の設備、建物に対する企業立地助成金を圧迫することを懸念しているわけでございます。土地助成に対して、私は決して否定するものではありませんが、やはり、きちんと土地は土地として、また、企業立地は企業立地として、企業誘致あるいは既存企業を残すような施策が必要ではないかと思っております。  そこで、企業立地助成制度の改正で、平成27年度までは県営産業団地とそれ以外の土地の助成率に大きな差があったものを同一の取り扱いにしたことは、産業施策として大変評価するわけでございますが、その助成率が、今までは投資額に対して平均5%であったものを、今度は固定資産税評価額に対して助成されている、実質的には固定資産税評価額は実際の投資よりも70%ぐらいの評価額になっている、つまり、助成率も5%あったものが3.5%になっている。こうしたことではインセンティブが弱くなって、競争力も他県に比べて低くなっているのではなかろうかと思いますが、その点について、商工労働局長の御見解をお願いいたします。 179: ◯答弁(商工労働局長) 委員御指摘のとおり、投資額から固定資産税評価額ということで、おおむね7~8割という形になると思います。  この設備投資に対する助成につきましては、従来の投資額そのものを対象とした場合でございますけれども、投資額の妥当性を担保いたしますため、契約書や投資期間中のこれに係る多くの支払いの書類など、多くの書類を提出していただいておりまして、企業の皆様からは、手続が煩雑であるとの御意見もいただいたところでございます。  このため、市町が発行いたします固定資産評価額証明書を提出書類とするなど手続の簡素化を図りますとともに、投資額に対する客観的な評価も担保するという狙いもございまして、今回、制度の見直しを行ったところでございます。  一方、設備投資でございますけれども、今年度、老朽化した設備の更新や、生産性向上のための設備投資につきまして、引き続き、県内で事業継続していただけるよう、助成制度の要件緩和等の充実も図ったところでございます。  今後とも、企業ニーズの把握に努めますとともに、経済情勢等の変化に柔軟に対応しながら、県内投資の促進に効果的な制度になるよう、立地助成制度全般につきまして、常に見直しを検討し、魅力ある制度にしていきたいと考えております。 180: ◯要望(岡崎委員) もちろん事務量については、お互いに無駄なことをやる必要はないわけで、問題は助成率で、今言うように3.5%にしかなりませんが、もとを7%にすれば4.9%を確保できるわけです。そうした助成率の引き上げをもって、設備あるいは企業誘致が促進されるよう要望いたします。  また、今、産業団地はほとんどつくられていない状況で、今後もリスクを伴うものは会計上なかなかつくれない状況ではなかろうかと思っております。そこで、立地助成という観点から、特に中山間地域は雇用の確保という点で、企業誘致あるいは留保は重要な問題でございます。だから、遊休地とか新たな団地造成で市町が行うものを県として企業立地助成金で助成して促進していくように転換する必要があるのではなかろうかと思っております。そうした観点からも、企業立地助成は大変重要な今後の課題でございますので、機動的な対応をしていただきたいと思っております。  最後に大学問題を取り上げていたのですが、残念ながら時間がなくなりました。今、改革されておりますが、県から年間1人当たり運営交付金が140万円ぐらい行われております。そうしたものを生かしながら、地域がこれから求めるような人材を育てる実践教育、例えば、庄原キャンパスですと、その辺に小規模校がたくさんあり、活性化会議でいろいろな特色づくりをやっておりますが、6次産業化に対する人材が不足しているあたりの観点も含めて、今後、県の存在感のある大学にしていただくことを要望して終わります。 181: ◯質疑(平田委員) 自由民主党広島県議会議員連盟の平田修己でございます。  私からは、広島空港のアクセスの対策について、2点お伺いいたします。  広島空港は、平成5年の開港以来、中四国地方における拠点空港として、着実にその役割を発揮してきたと思っております。しかし、常にネックとなってきたことは、空港への確実なアクセス手段が確保されていない点でございます。そもそも開港前後の時期には、広島空港へのアクセス手段については、定時性と高速性を兼ね備えたリニア鉄道の整備が検討されたところでありますが、当時で2,600億円程度の事業費と私が記憶しております膨大な事業費を要すること、開発していた会社が撤退していったということ、その他いろいろな状況によりまして、計画倒れとなってしまったわけでございます。  広島空港が県西部から県の中央へ移転したのは、3,000mの滑走路を持った中四国地方の拠点空港として空港の中枢性を向上するという観点から行われたことを考えれば、県西部はもとより、県東部、南部、北部の都市と空港を結ぶアクセスをいかに充実させるかということが広島空港の将来を決めると言っても過言ではなかったと思います。しかし、現実には、広島空港のアクセスは開港当初から道路のみのままで20数年が経過したのが現状でございます。軌道系のアクセスの必要性を申し上げるたびに、知事を初め執行部の方は、鉄道の採算性が確保されること、空港の年間旅客数が350万人を超える場合に軌道系のアクセスの検討可能性も生まれてくるという考え方を示されまして、当面は、空港の旅客数の増加につながるさまざまな取り組みを展開していくという方針を表明されておりました。一刻も早く年間350万人を超えるような取り組みを進める必要性がございまして、そのためにこそ、軌道系のアクセスを整備していく、また、定時性の確保として利便性のさらなる向上を図ることが、350万人を超える確実な道筋になってくると思っておりました。  さらに申し上げますと、年間で350万人規模の空港利用者を確実に輸送しようとすれば、道路だけでは大変不十分でありまして、そのためにこそ軌道系が必要ではないかと思っていたところでございます。また、視点を変えて周りの県の空港を見渡してみますと、岩国の錦帯橋空港や岡山空港では、広島県からの利用者を吸い集めており、また、高松空港ではいち早く民営化を進めるなど、地方空港同士の競争が激化していくことを念頭に置いた戦略的な取り組みが見え始めております。  そこで、このように地方空港の置かれた状況が刻々と大きく変わっていく中にあっても、改めて軌道系の検討に着手する考えはないのでしょうか、また、350万人とされる採算性のラインを再検討する必要はないのでしょうか。 182: ◯答弁(知事) 広島空港が中四国地方の拠点空港として今後も継続的に発展していくためには、航空路線網の充実や広域的な集客に加え、空港アクセスの一層の強化が重要であると認識しているところでございます。  このため、空港アクセスの改善につきましては、速達性の向上、定時性の確保、リダンダンシーの確保等を課題として取り組んでおります。  このうち、速達性の向上につきましては、高速道路網を活用したリムジンバス輸送によって確保することとしており、広島高速5号線を整備することで広島駅から空港までの所要時間38分を実現したいと考えております。  また、定時性の確保につきましては、現在、JR山陽本線白市駅から空港までの連絡バスを多頻度化することにより、広島駅から空港間の所要時間は平均して64分となっており、一定の定時性の確保を図っているところでございます。  さらに、リダンダンシーの確保については、山陽自動車道が渋滞や事故、積雪で通行どめになった場合には、東広島・呉自動車道や整備中の東広島・安芸バイパスを利用する代替ルートの確保に取り組んでおります。  軌道系を含む空港アクセスにつきましては、速達性の向上や定時性の確保、リダンダンシーの確保を含む柔軟性の向上といった観点に着目しつつ、利用者のニーズを踏まえながら、総合的な検討を進めてまいりたいと考えております。 183: ◯要望・質疑(平田委員) ぜひ、道路網でのアクセスだけではなく、多角的なアクセスを検討していっていただきたいとお願いしておきます。  広島空港の将来のあり方に関して、現在、民営化を前提として検討を進めていくこととされております。民営化することによって得られるメリットが数多くあるとのことですが、広島空港が抱える諸課題に対して、今後どのように解決を図っていくのかという点についても、空港の運営を民間に任せれば広島空港の将来展望も開けてくるといった論調であるように見受けられるところであります。  これまでの説明によれば、懸案の空港アクセスの充実の方策についても、民間の知恵と発想により解決を図っていくといったシナリオを描いておられるようです。確かに、県など公では持ち得ない発想・工夫や、機動的で柔軟な対応など、民間に任せてこそ発揮されるメリットが多々あることは否定しませんが、そもそも空港を県西部から中央部に持っていくことを決めたのは、県でございます。私は、県が責任を持って、アクセスの道筋をつけるべきであると思います。例えば港湾についても同様でありまして、物流のアクセス網が伴わず、ただ港の設備だけでは、本来期待された機能が発揮されることは全くありません。まさに、空港も全く同じように、確実なアクセスの整備が伴わなければ、民営化で描いている将来像も絵に描いた餅になりかねないということであり、大変懸念しているところでございます。  そこで、空港の民営化の検討を進めるに当たりまして、アクセスの確保について、民間と県の役割分担をどう考えていくのか、現在の場所に決定した県として、どのように責任を持って対応していくのか、お伺いいたします。 184: ◯答弁(知事) アジアの経済成長に伴う海外市場の拡大や外国人観光客数の急速な増加など、経済のグローバル化が新局面を迎える中、国内外との航空ネットワークを充実させ本県の新たな経済成長を促していくため、広島空港におきましても、航空系事業と非航空系事業を一体化した戦略的な運営を可能とする空港経営改革の検討を進めていくこととしたところであります。  しかしながら、この空港経営改革を導入した場合においても、広域観光等の需要の創出や空港アクセス、地元調整等の環境整備につきましては、引き続き、県において主導的な役割を担うものと認識しております。  このことから、空港の運営主体にかかわらず、空港アクセスの改善は、県が主体となり、責任を持って取り組んでまいります。 185: ◯要望(平田委員) 広島空港へのアクセスは、利便性の面では、山陽道などによりまして、一定程度は確保されているとは思っております。しかしながらその一方で、定時性大量輸送が確保される軌道系アクセスがないことによる経済的な損失は、はかり知れないものがあると考えます。  将来にわたって広島空港の中枢拠点性を維持向上していくためには、私は、やはりスピードもあわせ持ったリニア鉄道の整備がぜひとも必要であると強く思っているところでございます。いま一度、実現可能性について検討を始めていただきたいということを要望いたしまして、私の質問は終わります。 186: ◯質疑(窪田副委員長) 自民議連の窪田でございます。観光と教育に関して自分なりの思いを述べながら、数点、質問させていただきたいと思います。  まず、教育分野でございますが、主体的な学びへの取り組みについてでございます。  教育委員会におかれましては、主体的な学びを促す教育活動として、課題発見・解決学習を推進することとされております。これは、生徒みずからが課題を見つけ、課題の解決に向けて探求的な活動をしていく学習であるとされております。  しかしながら、生徒みずからが課題を見つけようという意識を持つには、まず、その授業に対する生徒の学習意欲を高める取り組みが必要ではないかと思っております。そのためには、授業の改善、教材の工夫や取り組みのできる教員を増加させるため、資質の向上を図ることが大変重要であると思いますが、こういった点については、これまでどのような取り組みをしてこられたのか、そしてまた、今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 187: ◯答弁教育長) 児童生徒がみずから課題を発見し解決できるためには、学習意欲を高めることが重要であり、これまで、教材の工夫や児童生徒への問いかけの工夫など、児童生徒の意欲を引き出す指導法等の改善を狙いとして、教職経験者研修や専門研修を実施し、教員の指導力の向上を図ってきたところでございます。  また、教育センターにおきましては、学習指導案を収集しウエブ上に公開するとともに、指導主事が学校に出向いて行うサテライト研修等を通して実践事例や指導法を紹介したり、教材生物バザールを開催し、観察・実験等に用いるためのすぐれた生物教材を共有化したりするなどして、各校の授業研究の充実を図るため、支援してまいりました。  教育委員会といたしましては、今後とも、児童生徒が主体的な学びができるよう、教員の指導力の向上に努めてまいります。 188: ◯質疑(窪田副委員長) 本当に主体的な学びは難しいと思うのです。児童生徒が能動的にやる気になって学習を進めていくということでありますが、まずその原点は、やはり疑問を持つことです。何でだろうと疑問を持って、それを何とか解決していきたいという知的好奇心が生み出されていくことが原点であって、そこをガイドラインとして引っ張っていってあげるのが先生の役割だと思っております。  私も高校時代、英語の授業で、好きな海外のCDを持ってきなさい、それを英訳してみなさいということもありました。生徒が興味を持ったことを切り口にして、積極的に学んでいけるような授業をしていただきましたことをありがたいと思っていますし、いろいろな工夫をしながら、積極的に主体的な学びを進展していただきたいと思います。  また、主体的な学びの教育は非常に意義のあることだと思いますが、生徒それぞれに進度が異なり、その進度に合わせた対応が必要になってくることから、非常に対応に時間がかかる、悪く言えば効率性が悪いと思います。その一方で、学校のカリキュラムの中でしっかりとした知識や教養を身につけることは必要最低限のことでございまして、その両者のバランスをとっていくことが非常に難しいのではないかと思うのです。その点に関してお伺いします。 189: ◯答弁教育長) 本県におきましては、学習者を基点として、能動的で深い学びを展開していく主体的な学びを推進しているところでございます。  主体的な学びでは、児童生徒の経験でありますとか既に知っていることを踏まえ、児童生徒の思いや願い、考えなどを大切にしながら、教科等の目標を達成させるために必要な学習内容や効果的な指導方法を取り入れ、学習活動を組み立てることとしております。  こうした学習活動を通じて、児童生徒は必要な知識をしっかりと身につけ、学んだ知識を活用して、他者と協働して新たな価値を生み出すことができる力を培うようになるものと考えております。 190: ◯要望・質疑(窪田副委員長) おっしゃるとおり、主体的な学びを実践していく上で最低限の基礎知識を身につけていかないと、その応用力、対応力は当然ついていかないわけでありまして、そうした意味で、私は、主体的な学びが先走り過ぎて頭でっかちになり過ぎて、基礎的なものがおろそかになっていくのではないかということを懸念しておりますので、そうしたものをしっかりと身につけて進めていただきたいと思います。  続いて、情報教育について伺います。  現代は情報社会が進展しまして、インターネットを利用すれば、情報は何でも手に入る便利な時代となっております。諸説ございますが、現代人の1日の情報量は、平安時代の人の一生分、江戸時代の人の1年分ということが言われております。これもインターネットで調べた情報でございますが、とにかく情報にあふれた社会であることは間違いないわけでございまして、その中で、真に必要な情報を得ること、正しい情報を得ることが非常に困難になっていると思われます。  また、インターネットにある情報が全て正しいと捉えてしまうという問題もあると思っております。この情報社会において、あふれる情報の中から必要な情報を選択して適切に活用していくことが重要であり、それを生徒みずからができるようになるような教育が必要であると思いますが、こういった観点で、現在どのような情報教育を行っているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 191: ◯答弁教育長) 社会の情報化が進展する中で、大量の情報の中から取捨選択し、情報の表現やコミュニケーションの効果的な手段として、コンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用する能力を育成することが必要であると認識しております。  そのために、高等学校におきましては、共通教科情報の学習内容を通して、全ての生徒に必要な情報を主体的に収集、判断、表現、処理、創造し、受け手の状況などを踏まえて発信、伝達できる能力を身につけるよう指導しているところでございます。例えば、インターネットからの情報収集、ホームページの作成、SNSによる情報発信など、情報通信ネットワークを活用した体験的な学習を通して、情報の収集発信の際に起こりうる具体的な問題や、それを解決したり回避したりする方法などを理解させ、情報モラルに配慮して、責任ある行動をとることができる態度を養っているところでございます。  今後とも、生徒が情報を主体的に収集、判断、表現、処理、創造できる情報教育を一層充実してまいります。 192: ◯要望・質疑(窪田副委員長) インターネット上は、本当にいろいろな考えを持った人が、いろいろな考えを表現していく、書き込んでいく場でありまして、今の学生も、そうしたものに非常に簡単に触れることができる環境下にございます。中には、有害な情報、また、明らかにこれはマイノリティーな考えだろうということがさも正論として堂々と主張されているようなことも見受けられたりしているわけでございます。そうしたことに惑わされないように、やはり、学生にとっても、情報を受けて、体験がない限りなかなか自分の中で消化できないということはあるのですけれども、学生なりにその情報を見てしっかりと考えて、先生が導いて、自分なりの正しい答えを導き出せるような教えも必要であろうと思いますので、引き続き、よろしくお願いします。  続けて、観光についてお伺いします。  外国人観光客数については、平成23年に48万7,000人であったものが平成27年度には166万人と、連続で過去最高を更新している状況にあり、非常に好調であると思われます。一方で、観光消費額の増大や通過型の観光の解消、リピーターの獲得など、取り組むべき課題もあると思われます。また、最近は、例えば日本食や伝統芸能に興味を持つ人、特定の趣味を持つ人といった特定の層をターゲットにした取り組みも大きな効果があるとされているところであり、本県においてもそういった取り組みが必要ではないかと考えております。  そういった取り組みを検討、実施していくためには、まず、外国人観光客の実態把握やニーズをつかむことが重要であると考えますが、そのためにどのような取り組みを行っているのか、商工労働局長にお伺いいたします。 193: ◯答弁(商工労働局長) 外国人観光客の誘致につきましては、市場ごとに実態、ニーズを的確に捉えることが重要であると考えております。  このため、訪日客数や広島への訪問者数などを分析いたしまして、観光客数が伸びる可能数の高い8カ国を重点指標として設定いたしますとともに、市場ごとに訴求する観光素材や効果的な情報発信について検討するため、調査を行ってきたところでございます。  具体的には、訴求する観光素材や、受け入れ環境等について把握するため、国の訪日外国人消費動向調査を参考にいたしますとともに、本県におきましても独自に現地代理人を通じた情報収集、現地観光展や県内観光地におけるアンケート調査等を実施してまいりました。  この結果、本県を訪れる外国人観光客の多くが共通して食に期待していることや、欧米は歴史・伝統文化体験や平和体験・学習、アジアは名所観光や自然景観への関心が高く、一方、無料WiFiや多言語対応など、受け入れ態勢の整備がまだ十分でないことなどが明らかとなっております。 194: ◯質疑(窪田副委員長) その現状を踏まえた上で、外国人観光客のより一層の誘致を図るため、今後どのような取り組みを進めていこうと考えているのか、商工労働局長にお伺いします。 195: ◯答弁(商工労働局長) 今後の取り組みといたしましては、まず、外国人観光客の多くが期待されております食につきまして、県の多言語観光ホームページを飲食情報サイトと連携いたしまして、飲食店情報をこれまでの29件から1,452件へと大幅に拡充いたしますとともに、スマートフォン対応にするなどの利便性の向上を図ったところでございまして、店舗におけるメニューの多言語化につきましても、引き続き、取り組むことといたしております。  加えまして、欧米やアジアの市場の特性に応じました観光素材を組み込んだ観光ルートの形成など、周遊の促進にも努めているところでございます。  また、しまなみ海道サイクリングや中国山地トレッキングのように、目的を絞って本県を訪れる外国人観光客もおられ、そういった魅力につきましても、専門誌や関係団体等を通じまして情報発信することとしております。  さらに、無料WiFiの整備につきましては、広島市を初めといたします10市町やネットワーク通信事業者の取り組みと連携し、その拡大などを支援してまいることとしております。  今後とも、継続的に実態・ニーズ把握に努め、取り組みに的確に反映させることにより、外国人観光客のより一層の誘致につなげてまいります。
    196: ◯要望・質疑(窪田副委員長) 観光施策と言っても、視点、切り口は非常にさまざまで、観光者の観光目的も多様化しているということですので、一つ一つに合った施策が大事だと思うのですが、外国人観光客が非常にふえ、特に欧米の方が2~3人で、リュックを背負って軽装で訪れて観光されている姿をよく見ることができます。一昔前であれば、団体旅行の観光パックでぱっと来てぱっと帰るという印象だったのですけれども、個人旅行が今、本当にふえたと思っております。個人旅行は、確固たる目的があって来ているのだろうと感じたりするのです。  いつも観光の問題で、広島は通過型で、観光消費額が伸び悩んでいるという記載があるのですけれども、例えば、1日1,000人広島に来て、全員が1,000円のキーホルダーを買って、福岡や大阪や神戸に飛んでいくということであれば、観光消費額は1日100万円です。逆に、10人でも、何泊かして外食もされて自分の趣味や買い物でお金を1人10万円は使っていったら、これも観光消費額は100万円で、経済効果は同じでございます。  何が言いたいかというと、こうしたリッチな層でお金に糸目をつけない層も確実にいるわけで、そうした層に対するアプローチも、今後必要になってくるのではなかろうかと思うのですが、それに当たっては、やはり詳細なニーズ把握・分析が必要です。ニーズは日々変わってくるものだと思っていますので、引き続き、その分析について、しっかりやっていただきたいと思います。  最後の質問に移ります。TAUの活用についてでございます。  本県の観光振興に関しては、首都圏でのブランド発信拠点であるTAUの役割も重要であり、売上実績、来店者数も含め、運営は好調と聞いているところです。その状況を見ると、TAUは、広島県に縁のなかった方に広島を知ってもらい、広島ファンの拡大や広島の地域ブランドの価値向上を図るというPR効果は上がっているものと思っております。しかし、県がブランドショップを運営するのであれば、売り上げだけでなく県の施策に寄与するような取り組みなど、もっと県にとってプラスになるような役割を積極的に果たしていくべきではないかとも考えております。  こういった点も含め、TAUの活用に係る現状分析と今後の取り組みについて商工労働局長にお伺いいたします。 197: ◯答弁(商工労働局長) 広島ブランドショップTAUは、首都圏におきます情報発信拠点として、県の観光プロモーションや市町のPRの場として、さらには、UIJターン就職相談会の定期的な実施、広島への移住・定住促進セミナーや広島の婚活を応援するイベント開催、そして、県内商業高校の販売実習など、県、市町の施策推進や情報発信の場として活用されておりまして昨年度は40件を超える取り組みを実施してまいりました。  こうした取り組みは、TAUの認知度向上に伴い、イベント・セミナー等への集客につながり、首都圏メディアに取り上げられるなど、TAUを活用することによる一定程度の効果も出ているものと考えております。  今後とも、関係部局や市町とも十分に連携を図り、首都圏をターゲットとする施策の推進に向けたTAUの活用について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 198: ◯要望(窪田副委員長) 私も学生時代、東京にいたときに、新宿駅南口を降りると、TAUの前身のアンテナショップ、ゆめてらすがありました。そこに歓粋亭というレストランがございまして、私も週2回くらい通っておりました。TAUもそうですけれども、東京に学生または社会人として出ている方にとって、郷土を思える場所、心の安らぎを与えてもらえる場所と申しますか、そうした重要な役割も担っているということを、大人になって、社会人になって感じてきているところです。  TAUは、非常に業績も好調であるということです。売り上げ等も大変大事ではございますが、初めてTAUを訪れた人が、今度は広島に観光に行ってみようかと思える観光施策にもつながっていける場所であってほしいと常々思っておりました。こうした目に見えない部分、広島のよさを知ってもらって来てもらえるというような重要な役割も果たしていける、すばらしい場所になっていただきたいと思っておりますので、そうしたことも含めて、今後、積極的に運営展開していただきたいと要望して、質問を終わります。 199: ◯質疑(松浦副委員長) 早速、質問に入ります。  通告を4点しており、具体的にいろいろ申し上げたいと思うのですけれども、部局別審査で申し上げた際、それぞれの任に当たっておられる局長から十分な答弁が得られなかったものですから、改めて考え方を知事にただしたいということでありますので、部局別審査で申し上げたのと同じことになったのではぐあいが悪いですし、答えはぜひ欲しいと思っております。  具体的に申し上げますけれども、広島市東部地区連続立体交差事業について、広島市はお金がないから、何とか県も協力して事業を見直す結果になった。ところが、その後、踏切事故があったり死亡事故が起きたりして、国土交通省は鉄道事業者に対して、極力踏切の改善をやってもらいたいという通達を出しているわけです。  申し上げたいのは、広島市にお金がないから県も同調してくださいということだったのが、30年前からやってきた事業をふいにして2年もしないうちに、広島市はいろいろな公共事業をしているではありませんか。国道2号の延伸を14年ぶりに求めるとか、アストラムラインを延伸する、また、サッカー場を新しくつくるというのも皆、公共事業でしょう。  県のお金がないと言っても、県は猛烈に頑張って、プライマリーバランスも6年連続で黒字基調が続いています。その中で県のいろいろなことをお考えになるでしょうが、広島市東部地区連続立体交差事業の県の負担分については、例えば、県庁建てかえ分として持っている150億円はずっと塩漬けになっており、建てかえと言っても、当面は耐震補強して30年くらいもたせるということになったら、この150億円を使っても痛くもかゆくもないですし、来年から5億円ずつためれば、30年もすれば150億円のお金がたまるわけです。そういう資金繰りを考えたら、一つもできないことはないと思うのです。  私は、このことについて、改めて知事に、そのとおりだ、ぜひ頑張ろうという決断をいただきたい。これをまず申し上げておきたいと思います。お考えはいかに。 200: ◯答弁(知事) 公共事業については、非常に重要な役割を果たしているものと考えておりまして、ひろしま未来チャレンジビジョンが目指す県土の将来像を実現する役割を担って、限られた財源で最大の効果を発揮するため、社会資本マネジメントの方針として策定した社会資本未来プランと、事業別に策定した整備計画に基づいて、戦略的・計画的に推進しているところであります。  そういう中で、広島市東部地区連続立体交差事業についてでありますが、全区間を高架化した当初の計画で事業実施した場合には、従前から繰り返し申し上げているとおり、事業が非常に長期化するといったことなど、さまざまな課題があると考えております。  そういうことをベースに、平成27年6月に見直しの方向性を県と広島市で取りまとめまして、府中町、海田町を含む関係4者で合意したところであります。  県としては、引き続き、共同事業者である広島市とともに、関係する皆様の御理解をいただきながら、できるだけ早期に事業効果が発現できるように取り組んでまいりたいと考えているところであります。 201: ◯意見・質疑(松浦副委員長) 事業の実施を30有余年も待ってきて、これからだったら金を少なく使って早くできると言っても、それは4~5年ぐらいのことでしょう。大した問題ではないと思うのです。これはこれとして、次に行きましょう。  広島がん高精度放射線治療センターの運営については、東京の豊洲市場の縮小版です。あなたは報告を受けて、頑張ってやれと言って、やったけれども実際に決算してみたら赤字です。何で赤字になったかといったら、市内の広島大学病院、県立広島病院、広島市民病院、広島赤十字・原爆病院の4者と共同して、ここでオーバーフローした患者をうまく活用して幅広くやっていこうというところが、当初予定したよりも大幅に、患者の送り込みができていない。  機材についても、まず3台入って、最終的に5台ということだったのですけれども、能力的に言うと、平成25年に広島大学病院が入れた機材は、広島県が入れたものとほとんど同じもので、その後、県が残りの2台を導入したけれども、広島赤十字・原爆病院と広島市民病院は、同じような機材を導入した。そうすると、それぞれ独立会計ですから、稼働率が80%ぐらいなら収支はとんとんで、後は共同のセンターへ患者をシフトしようということになるかもしれないけれども、そうなっていないのです。  よって、委託料について、医師会はこれだけで運営してくださいという話をするが、収入については、患者掛ける金額ですから、大きく収入減になって、今のままいったらずっと赤字続きです。スタートのときに、医師会、県、広島市、4つの基幹病院がしっかりとこの話をしていれば、こんなことにはなっていなかったと思うのです。  そこで、知事のほうで、この治療については毎年5,000万円赤字でも政策的経費ですから認めてくださいと言われればそれでも結構ですけれども、そこを使わない県民はそうはいかないということになると思うのです。この解決を考えていただかなければ、ずっと赤字の垂れ流しになる。土地造成会計と同じことになるということです。知事の決意のほどをお尋ねしておきます。 202: ◯答弁(知事) 広島がん高精度放射線治療センターは、体に優しく治療効果の高い放射線治療へのニーズが高まる中で、質の高い先端的な放射線治療の提供体制を構築するため、4基幹病院の機能分担、連携により、通院で、より精度の高い放射線治療を確実に提供する施設として整備したものでございます。  委員の御指摘の中で若干誤解があるのではないかと思いますが、4病院でオーバーフローした患者をここで受け入れるということではなくて、センターへの紹介患者については、4基幹病院の放射線治療医や診療科の専門医と協議を重ねた上で、患者紹介基準を事前に定めております。放射線治療の実態調査の結果や、今後の放射線治療の適応患者、つまり、放射線治療が適切だということになるであろう患者の増加も加味して、患者数を見込んだところでございます。  これまでのところ、4基幹病院で外来治療を行っていた患者に対し、センターで高精度放射線治療を提供することによって、4基幹病院では入院患者への放射線治療の機会をふやすことができておりまして、役割分担によって、放射線治療の体制整備が進んでいるものと考えております。  今年度は、4基幹病院からの紹介患者数が昨年度に比べて増加しており、4基幹病院以外の医療機関からの紹介も拡大しているところでありますが、現状では、がん患者の増加に比べて、放射線治療適用患者が伸びていないといったようなことから、がんの部位によっては患者数が見込みに達していない状況でございます。  このため、4基幹病院の診療科の専門医や放射線治療医にヒアリングを行いまして、関係7者で構成しております運営協議会で、がんの部位別に課題を分析して対策を講じているところでございます。具体的には、診療科の医師や患者に対し、センターで行う放射線治療の優位性等が十分に伝わっていない面もございますので、がんの部位別に他の治療方法と比較した資料を作成するとともに、治療を行った症例を報告するなど、治療効果の周知を図っております。  また、引き続き、センター長による4基幹病院以外の医療機関への訪問や、県民、患者団体、がん相談員等、対象者ごとのニーズに沿った講演会や施設見学を開催しまして、高精度放射線治療の普及やセンターの認知度向上にも努めているところでございます。  これらの対策を着実に実行いたしまして、一刻も早く安定した運営が図られるように、関係者一丸となって取り組んでいく必要があると考えております。 203: ◯意見・質疑(松浦副委員長) 全然わからない人から見れば、知事の言うのが100%正解だけれども、もともと、このセンターへ入れた機材は平成25年に広島大学病院へ入っているのです。2年後に、このセンターへ同じ能力のものが入って、県が入れた後に近い性能のものが広島赤十字・原爆病院と広島市民病院に入っております。職員たちが失敗したのを知事に黙っていて、困った困ったと言っても困るから、知事に決断いかにということを申し上げており、別に赤字が出ても為政者のあなたが困るだけで私は別に困りませんが、うまく運営していくためには、そういったことをもう1回精査するほうがいいのではないかと申し上げているわけであります。  次は、土地造成事業会計の弾力的な運用ということで申し上げておりますけれども、知事の好きなイベントについて、どこかの経済研究所が効果を計算したら、必ず、中国新聞がすぐに波及効果が幾らあった、大成功だと書きます。そういう意味では、局長あるいは課長にも申し上げたけれども、どんどんイベントの効果と同じように、例えば10年前に造成したものの10年間の工業出荷額等や、そこの固定資産税、あるいは市民税とか職員に払った給料とかいったものを足したら、土地会計で大きく原価を割って売ったとしても、その数十倍あるいは数百倍のお金が動いたことになる。そうすると、プロモーターの知事がハッピーということになるわけです。  地方創生という立場から考えたら、やはり地域の首長と知事が一体となって頑張ることこそが地方創生だと思うのです。そういう意味で、私は、過去にやったものにこういう結果が上がっているから引き続きやる、そして、基礎自治体の首長も、よし、うちもやろうということによって、そこに職場ができ、その町の出身の方々がそこに帰ってくることこそが私は地方創生の大きなスタートではないかと思うのです。  ぜひ、何カ所かそういうことを大きく喧伝して、積極的に地域の開発をやっていただきたいと思うわけでありますが、決意のほどをよろしくお願いします。 204: ◯答弁(知事) 御承知のとおりかと思いますが、県がこれまで整備してきた41の産業団地における企業立地効果については、昨年7月に土地造成事業の今後のあり方の中でお示ししております製造品出荷額、雇用、税収の面から検証しているわけでございますが、この検証によると、県全体に占める産業団地立地企業のシェアは、製造品出荷額で申し上げますと約4割を占めておりまして、雇用では約2割、法人関係税収では約3割を占めているところでございます。  また、平成10~25年度までの16年間における実質的な税収の推計は721億円となっており、平成27年度末の土地造成事業会計の未処理欠損金は451億円ございますが、これを大きく上回っているところであります。そういう意味で、土地造成事業は、本県経済の活性化に重要な役割を担ってきたものと認識しているところでございまして、それは従前、御説明しているとおりでございます。  新たな産業団地の整備につきましても、団地ごとに見込まれるこうした施策効果も総合的に勘案して、県及び市町の税収を含めた県全体での採算性で評価する考え方を取り入れて進めることとしたところであり、これも御説明しているとおりでございます。  本県経済の活性化を図るためにも、企業誘致の受け皿となる産業団地の整備は引き続き重要な施策であると認識しておりまして、今後、地元市町とも連携し、民間遊休地も含めた産業用地の状況を踏まえ、先ほど申し上げたような総合的な経済効果の観点から、企業ニーズも見きわめた上で事業化を検討していく必要があると考えているところであります。 205: ◯要望(松浦副委員長) よくわかりましたが、担当の部署は常に逡巡していますから、今、知事がおっしゃったことを、こうだから頑張れと言って激励して仕事にかからせてください。  4つ目の質問は、既に意見を申し上げたようでありますから、省略させていただきます。  (5) 採 決    平成27年度広島県歳入歳出決算認定の件並びに平成27年度広島県公営企業の決算の認   定及び剰余金の処分の件について採決を行った結果、いずれも賛成多数をもって認定並   びに原案のとおり可決すべきものと決定した。  (6) 知事挨拶  ただいま、平成27年度の決算を認定すべきものと決定いただきまして、まことにありがとうございました。  平成27年度は、ひろしま未来チャレンジビジョン10年間の前半を締めくくります年といたしまして、それまでの成果を着実に次のステージにつなげるための取り組みを推し進めたところでございます。  今回、この決算の認定をいただきまして、改めて厚く御礼を申し上げますとともに、今後の県政運営に一層尽力してまいりたいと考えております。  本委員会でいただきました御指摘、御提言につきましては、十分留意の上、今後の県政運営に反映するよう努めてまいりたいと考えております。  今後とも、議員各位のより一層の御指導、御協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。本日は、まことにありがとうございました。  (7) 議長挨拶  閉会に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。  さきの9月定例会におきまして本委員会が設置されまして以来、9回に及ぶ審査を集中的にお願いしたわけでございますが、議員の皆様には終始熱心に審査を賜り、また、ただいまは適切妥当な結論を得られましたことに対し、心から敬意を表する次第でございます。  御案内のように、広島県の財政状況は、平成27年度の県税税収は増加しているものの、高齢化の進行等による社会保障関係費の増加などにより、依然として厳しい状況が続く見通しであり、引き続き、財政健全化に取り組む必要があります。  こうした中、ひろしま未来チャレンジビジョンに掲げる本県の目指す姿の実現に向けて、各種の施策に一層積極的に取り組むことが求められており、本委員会におきましても、適切な成果目標の設定や事業成果の検証により、実効性のある取り組みにつながる必要性があるといった意見を初め、貴重な御意見が多く出されたと伺っております。  間もなく、来年度予算の編成時期を迎えることになりますが、県当局におかれましても、本委員会での意見等を十分に反映され、県民の期待に応えられますようお願い申し上げ、御挨拶といたします。  (8) 委員長挨拶  閉会に当たり、委員長として、一言御挨拶を申し上げます。  委員の皆様方には、9月定例会において本委員会が設置されて以来、御多用中にもかかわらず、終始熱心に御審査をいただき、まことにありがとうございました。  委員各位の御協力を得て、本日、ここに委員会としての結論を得ることができ、その職責を果たすことができましたことを、松浦、窪田両副委員長とともに深く感謝申し上げます。  また、知事を初め、執行部におかれましては、本委員会の審査に御協力いただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。  なお、本日の総括審査並びに部局別審査の過程で指摘のありました事項については、今後、十分留意していただき、来年度の予算編成にも反映するなど、県勢の伸展と県民福祉の向上に一層の努力を傾注していただくようお願いいたしまして、御挨拶といたします。ありがとうございました。  (9) 閉会  午後4時55分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...